過去ログ(No.121〜130)
  
変えましたが 投稿者:天麒麟@うにゃあ
 
サブタイは「生きてこそ」っての。……ダメ?
 
(Bパート)
ヒトダマ「あ、アレです! アレが緊急脱出口の表示ですぅ!」
プチに誘導されること暫し。ヒトダマが指したその場所には、確かにハガキくらいのサイズの表示が「浮かんで」いた。
急いで駆け寄る一行。
周囲の光景がなにもかもぼんやりと霞み始めている中で、その小さな表示だけは己の存在を主張するかのようにくっきりと輝いている。
ヒトダマ「ほらー、「走っている人」でしょ?」
ギリアン「……た、確かに「走っている人」だが……(汗)」
そこに描かれているのはギリアンが想像していたものとは少々……いやかなり異なっていた。
両手を上げ、やたら爽やかな笑顔で今にもこちらへ向かって駆け寄ろうとしているかのようなランニング姿のオヤジ(?)。
「走っている」というコンセプトに間違いはない。ないのだが。
こういう使い方はしないだろう。普通。
ここの制作者は一体どういうセンスの持ち主なんだとギリアンががっくりうなだれたその時、ギリアンの肩越しに裸いでんがあっ、と叫んだ。
裸いでん(指を指して)「グ●コだグ●コ〜〜!」
ギリアン「……ああ。俺もそうだと思ったよ……」
最早突っ込む気力も失せたギリアンであった。
それはさておき。
ギリアン(気を取り直し)「で、どうやってここから脱出するんだ?」
見たところ、丁度ギリアンの目の高さに小さな「走っているグ●コの人」が浮いているだけで、出入り口と思しきものは見あたらない。
プチが、デフォルトまで残り5分を切ったと告げる。
ヒトダマ「えっと、ちょっと失礼しますね」
「走っているグ●コの人」にちょい、と触ると、何もなかった筈の空間にキーボードが出現した。
ヒトダマ「私の管理コードでもアクセスできる筈なんですが……」
ぽちぽちと何やら入力を始める。
ギリアン「管理コード?」
ヒトダマ「ええ、緊急時にプレイヤーを安全な場所へ誘導するのも仕事の一つなものですから。最も、こんなに不測の事態だらけになるとは夢にも思わなかったですけど……」
ギリアン「大丈夫か? システムエラーの影響を受けているなんてことは……」
プチ「緊急脱出プログラムは全く独立したシステムのようです。デフォルトされない限り、エラーの影響はないと思われます」
ヒトダマ「えーっと、管理コードPNEUMA……と。あ、アクセスしましたー」
途端に、「走っているグ●コの人」の表示がぐぅん、と扉ほどのサイズに広がる。
ヒトダマ「これに触れれば、それだけで現実空間にログアウトできますー」
ギリアン「そうか……じゃあ後はスネークだけか……」
プチ「スネークのナノマシンにもこの場所のデータは転送してありますが……マズイですね、残り3分もありません」
既に周囲はデータの崩壊が始まっている。裸いでんが不安そうに空を見上げ……小さくあっ、と叫んだ。
裸いでん「固体おじちゃん!」
見ると、確かにアラストルを携えた固体さんがこっちに向かって走ってくる。
ギリアン「こっちだスネーク!!」
固体さん「ギリアン!!」
固体さんの声に応えるようにギリアンが手を振る。その瞬間空が大きく歪み、固体さんめがけて崩れ落ちた!
ギリアン「スネーク!」
ヒトダマ「クロスエアレイドっ!」
咄嗟にヒトダマが呪文を放った。虹色の尾を引く小さな光の粒が、崩れ落ちる天蓋を消し去る。
その間に固体さんが何とか到着した。
固体さん「……待たせたな」
ヒトダマ「固体さ〜〜ん、よかった心配したですぅぅ〜〜(涙)」
安心したヒトダマがちょっと涙ぐみ、裸いでんが嬉しげにまとわりついてくる。
ギリアン「……ヤツは、倒したのか?」
固体さん「ああ、何とかな……詳しい話は後でする」
ギリアン「そうだな。長居は無用だ。これ(と、「走っているグ●コの人」を指し)に触ればログアウト出来るらしい」
ヒトダマ「出来ますです」
プチ「残り1分」
薄れ、崩れ去っていくシャドーモセスの幻影。しかし固体さんは振り返らなかった。
固体さん「よし。脱出だ!」
 
そして。
彼らのログアウトが完了したのとほぼ同時に、VR空間も完全に消滅した……。
 
次回、「神の真意」。こんなでどうだ?

・・・というよりもこれ書くのに疲れた 投稿者:日向@過労
 
ほんまに使いおった・・・「グ●コの人」何度か読み返し、その部分だけ爆笑。
つか。
メール着信の大塚氏の声を弟は「カエルの鳴き声」とかのたもうてくれたぞ(ちゅどーん)←スティンガーをぶっ放したらしい
 
「神の真意」
 
「走っているグ●コの人」に触れた瞬間、固体さんの視界が大きくブレた。
一瞬、まばゆい光が自分を包み込み・・・
次の瞬間、固体さんの姿は見覚えのあるような、ないような場所に現れた。
固体さん「・・・?ここは・・・」
WF会場の、ロッカールーム。
だが、何か違う。
淡いピンクの壁紙に、閉じられたロッカーからはみ出しているあの紐(?)はまさか・・・
固体さん「げ、」
それでピンときた。
ここは、確かに会場のロッカールーム・・・女性用の(笑)
というよりもどうしてこんな場所に脱出して来たのだと首をかしげたその時。
どすん!
固体さん「ぐげっ!」
突如、頭上から現れた人影をよける事ができずに固体さんはかなり危険そうな声を上げてその場に転倒した。
・・・もちろん、お約束のように落ちてきた人物は固体さんの上。
「・・・あたた・・・腰、打った・・・」
固体さん「・・・お、おい・・・」
自分の腰の上で痛そうに腰をさすっている人物に向かって固体さんが恨めしそうに呟く。
上に乗っかっている人物の体重はたいした物ではなく、別に重いとかという思いはないのだが自分も痛い。
固体さん「・・・早くどいてくれ」
「・・・あ、ゴメン・・・」
慌てて固体さんの背中から降りる人物。
どこかで聞いた事がある声だなと思いつつ、固体さんが体を起こし、突如降ってきた人物を見た瞬間。
固体さん「・・・NAT・・・?!」
NAT「・・・あはは・・・ゴメンゴメン、まさかこんなところに出るとは思わなかったからさ」
照れくさそうに頬を掻きつつ、落ちてきた人物・・・NATが屈託のない笑顔を見せた。
が。
NATの目の前の固体さんは完全に硬直してしまっている。
NAT「・・・どうしたの?」
固体さん「・・・い、いや・・・(滝汗)」
夢でも見ているのかと固体さんは自分の頬を軽く叩いたりつねったりしている。
・・・が、どうやら夢でもVRの続きでもないらしい。
どうする、どう言えばいい、と固体さんの頭の中がぐるぐる回る。
しかし、だからといって何も言わないのもどうかと考え直し、固体さんは躊躇いがちに口を開いた。
固体さん「・・・お前、女だったのか?」
NAT「え?あ、まぁね・・・別に聞かれなかったし。でも、なんで分かったの?」
固体さん「・・・(滝汗)・・・裸を見せられたら嫌でも分かる・・・」
NATからやや視線を外し、固体さんが少々頬を赤らめながら呟いた。
NAT「うわ、スネークって意外とウブっ」
本当に伝説の英雄?とNATがぐいっと詰め寄ってくる。
その頭をがしっと掴み、固体さんはじろりとNATを睨み付けた。
固体さん「とにかく服を着ろ!」
(いや、別にNATが露出狂というわけでわないのよ)
 
固体さん「・・・しかしなんで実体が?AIであるはずのお前が、肉体を持つなんてありえないだろう」
その辺のロッカーから適当に服を拝借し、着替えるNATに背を向けて固体さんが呟く。
固体さん「それに・・・「神の光」はお前自身を構成しているデータを消費するんだろう、ならどうして生きている?」
NAT「あ?ああ、アレはウソ。ウソっていうか・・・俺はちょっと特殊だからコスト無しで「神の光」を撃てるの」
固体さん「特殊?」
腑に落ちない、という固体さんの声。
うん、とNATが呟いた。
NAT「でも話が長くなるよ?」
固体さん「ああ、構わん。構わんが・・・順序を追って全部話せ。お前が何者なのか、何が目的なのか全て」
固体さんの強い口調に、NATが仕方ないな、と呟いた。
固体さん「まず、お前たちが何者なのか、聞かせてもらおうか」
ロッカールームのドアの鍵を確認した固体さんが厳しい口調で尋ねてくる。
NAT「う〜ん・・・何者か、って言われてもね・・・「マスター」によって作り出されたAIとしか言えないし」
固体さん「ならその「マスター」とは何者だ?」
どうやら固体さんは何もかもを聞きだすつもりらしい。
NATが少々困ったように天井に視線を投げた。
NAT「いや、俺もよく知らない。ただ、俺たちが「神」と呼んでる存在には違いないね」
固体さん「・・・「創造主」という意味での「神」か・・・」
小さくうなづくNAT。
NAT「スネークの言葉を借りるけど「何でも出来るが何もしない。する必要がない。それが全能である神様のスタンス」・・・確かにそうだよね。でも、何でもできる、何でもお見通しの「神」が何もしないってのは「何もできない」と同じこと。でもそれがつまらないと感じた場合・・・スネークならどうする?」
謎掛けのようなNATの言葉。
だが固体さんはすぐにピンと来た。
(Aパート終了)

書けるかな 投稿者:日向@過労
 
(Bパート)
固体さん「「神は賽を振らない」・・・逆を言えば、自分以外の誰かに賽を振らせようとする?」
NAT「その通り」
俺たちは、「マスター」が賽を振るためにコピーされた存在なんだよとNATが呟くように答えた。
NAT「賽が出す目は「マスター」にとってどうでもいいことらしい。現に、システムを乗っ取って暴走する奴がいれば俺みたいにそれを狩る奴も存在するし」
固体さん「しかし自分のコピーを作り出すとはな・・・」
信じられない、という固体さんの口調。
確かに、俺が言うのもなんだけど狂ってるよとNATもうなづく。
固体さん「で、お前が特殊だってのはどういうことだ」
先ほどから気に掛けていたこと。
NATがああ、それと呟いた。
NAT「「マスター」から直接コピーされたのは「オリジナル」で、「オリジナル」からコピーされたのは「コピー」になるのは分かるよね?」
固体さん「・・・ああ、それが?」
NAT「多分、スネークはNAT-EEが俺のコピーだと思ってるんだろうけどそれは違うよ。そもそも「NAT」って「マスター」が自分のコピー全体を呼ぶ名前であって俺の名前じゃないし」
固体さん「・・・自分のコピーでもないのにお前は自分の身を挺して奴を消そうとしたのか?!」
思わず大声を出してしまう固体さん。
うるさいなぁとNATが眉を寄せた。
NAT「それはともかく、なんで分かるかと言うと「オリジナル」には全員、シリアルナンバーが付いてる」
固体さん「それが、お前と一致しなかった、と」
NAT「まぁ・・・俺の場合、実は「オリジナル」に位置しながらシリアルナンバーが無いんだよね」
固体さん「・・・どういうことだ」
NAT「失敗作らしいよ」
な、と言葉に詰まる固体さん。
失敗作・・・つまり、不良品。
その不良品がまさか、ここまで戦えるとは。
NAT「・・・失敗作だからと言って使えないってワケじゃないよ。というよりも「マスター」にとって、思い通りの結果にならなかったから「失敗作」だっただけで、実際は他の「オリジナル」よりかなり強かった」
固体さん「「強かった」、とは」
何故に過去形で話す、と固体さんが首をかしげる。
そういえばNAT-EEを前にした時も「通常の状態なら俺の方が力は上」と言っていたではないか。
それがね、とNATが再び頬を掻く。
NAT「NAT-EEを取り込んだシステムに侵食された影響で今までコピーしてきた能力、全部消えちゃた・・・」
固体さん「ぬわぁにぃ?!」
NAT「俺って人格データとシステムデータと能力データとそれぞれ独立してるんだよね。で、アーセナルに侵入した時能力データとシステムデータに侵食されて・・・「神の光」使ったらデータが吹っ飛んじゃった」
固体さん「・・・」
NAT「あ、でも「神の光」は人格データに組み込まれてるからそれだけはまだ使えるんだよね」
固体さん「・・・」
呆れた、というよりも。
あまりの内容に何も言えない。
固体さん「・・・(汗)とにかく、人格データが残ったから助かった、と」
NAT「ん・・・まぁ、そうと言えばそうなるか・・・」
何やら言葉を濁すNAT。
その口調に固体さんは何かあるか、とかぎつけた。
固体さん「隠さず話せ。助かった理由、他に何かあるのか」
小さくうなづくNAT。
NAT「・・・今度はアラストルに吸収された」
固体さん「・・・は?」
そう言えば、自分はアラストルを手にしたままあの「グ●コの人」に触れた。
ということはアラストルまで現実世界に持ってきた事になるのか・・・という以前の問題に。
固体さん「アラストルに吸収、とは」
NAT「・・・誰も自分に心臓ささげてくれなかったからって、魂すらない俺を・・・」
そもそもアラストルって雷属性だし、俺と相性がいいから吸収しやすかったんだねとNATが続け、固体さんはようやく気が付いた。
固体さん「まさかアラストルが放つ雷を電気信号に変えてアラストルに寄生したのか」
んな、無茶苦茶なと固体さんが呆れ顔で呟いた。
固体さん「で、そのアラストルは」
NAT「さすがにあのままじゃ人目を引くし危ないだろう・・・ということで」
ごそごそと胸元に手を突っ込み、何かを取り出すNAT。
NATが取り出したのは確かにアラストル・・・だった。
だが、それは細い鎖につながれたペンダントトップとして滑るような光を放っている。
NAT「ヒトダマには悪いけど、当分の間は返せないね。これを返すと俺も生きてられないし」
固体さん「・・・あ!」
突然、固体さんが大声を上げた。
固体さん「ギリアンとヒトダマ!」
NAT「・・・あ、」
そういえば、同じ場所にはログアウトしていない。
ということは。
固体さん「別の空間にログアウトしたのか?」
NAT「・・・多分それは無いと思う。同じ出口なら多少の誤差はあっても同じ空間にログアウトできるはずだし」
でも、ヤな予感がするから早く探したほうがいいよとNATが続けた。
 
次回「WF会場の怪人」
・・・うぅ・・・疲れた・・・ばた。

字、字数制限… 投稿者:天麒麟@眼精疲労
 
「WF会場の怪人」 怪人……ね(汗)。
 
(Aパート)
固体さん「とにかく、一刻も早くギリアン達と合流する必要があるな……しかしそれにしても」
NATを見てため息を吐く固体さん。
NAT「何?」
固体さん「他に着るものはなかったのか」
NAT「これのこと? 似合う?」
NATが着ているのは何とも可愛らしいピンク色のエプロンドレスだ。しかもご丁寧に頭には同じ色のリボンまで巻いている(さあ誰の衣装だ)。
くるっとつま先で回ると、レース付きのフレアスカートがふわりと翻った。
NAT「もっと刺激的なのもあったんだよ。でもスネークの目には毒かなーって(笑)」
固体さん(またため息)「……というよりも、他のは胸の部分が余るんじゃないのか?」
NAT「……う゛っ」
図星、だったらしい。
 
廊下に誰もいないのを確認すると、固体さんとNATはロッカールームを出た。
固体さん「……やはりな」
そこは、VR空間に落とされる少し前に固体さんがいなくなった裸いでんを探し回った場所のひとつだった。
固体さん「結局振出に戻されたというわけか。ヒトダマを雇ったのが『G.W.』だと聞いたときに何となく予想はしていたが」
歩きながら体内のナノマシンを操作する。しかしレーダーにギリアン達の反応はない。
違う階にいるのかもしれないと、エレベーターホールに向かって歩き出す固体さんとNAT。
NAT「悪いけど、俺は『G.W.』の目的とか裸いでんを拉致った理由とかについては知らないよ」
コピーなら知っていただろうけど、と全身ピンク色の衣装のNAT。
固体さん「いや……まだ知っていることがあるだろう」
NAT「何だよ」
固体さん「あの「魔法」だ。何であんなものが使えた?」
あああれ、とNATが答える。
NAT「本来AIである俺に魔法は使えないんだ。例えあのVR空間内でもね。けどアラストルの霊力を媒介にすれば使えるって言われたんだよ……ヒトダマに」
そういえばなにやら耳打ちしていたが、あれはどうやら呪文を教えていたらしい。
固体さん「まあ、確かに魔法はあいつの領分らしいな」
NAT「どういう効果の魔法かは知ってたんだけど、俺にはできないと思って使わなかったんだ。使ったのは……一か八かの賭だった。「神の光」で倒せないなら、コピーの干渉できない全然別種のエネルギーをぶつけるしかないと思ってさ。……よかったよちゃんと発動して」
あははは、とNAT。しかし固体さんの表情は強張っている。
一か八かの賭に巻き込まれたからではない。
固体さん「もしかしてあいつ……知っていたのか……?」
コピーには「神の光」が決定打にならないことを。そうでなければあれほどの刃物マニアがあっさりアラストルを手放すとは思えない。
必ず返せと喚いてはいたが。
NAT「さあね。単なる偶然かもしれないし知っていたのかもしれない。……スネーク憶えてるかな……あいつが大魔法発動させた時のこと」
固体さん「ああ」
はっきりと憶えている。最強の怨霊をもたじろがせた豪勢な光のシャワー。
NAT「あいつ、アレを発動させるとき呪文を省略してただろ。あんなのあり得ないんだよ。呪文を唱えないと絶対に大魔法は発動しない」
固体さん「!」
NAT「それに、「セレスティアルスター」は俺の使った「セラフィックローサイト」よりも上位の浄化呪文なんだ。普通に発動すればそのエネルギーは一瞬で軽く1億テラジュールに達する」
テラは10の12乗。すなわち「兆」である。
固体さん「……ちょっと待て。ということは……」
NAT「いくらキリエさんでもまともに食らえば消し飛ぶってこと。でもそうはならなかった。……制御したんだよあいつ。億テラジュール級のエネルギーを」
NATの言葉に、固体さんの表情が凍り付く。
呪文を省略しながらも大魔法を発動させ、億テラジュールに達するエネルギーをも制御可能の存在とは……。
NAT「それに、このアラストルを管理してたってことは、アラストルよりも霊性が高いってことだろ? あいつ、自分で言ってるより相当ハイレベルな存在なんじゃないのかな」
固体さんは茫然と立ちすくんだ。
固体さん「ヒトダマ……あいつは一体……」
そんな固体さんを顧みつつ、NATがにやりと笑う。
NAT「意外とあいつが本物の「神様」なのかもしれないよ? 「聖霊」って、「神」と同義の言葉だからね」
(Aパート終了)
 
あっちこっち強制的に削ったので文章が変(汗)。
リカちゃん仕様のNAT、如何でしょうか(嗤)。

怪人といえばあの人しか 投稿者:天麒麟@ぬ
 
(Bパート)
固体さん「ヒトダマが……本物の「神」だと……?」
しかし、尻尾を掴まれてきゃあきゃあと騒ぎ立てるヒトダマの姿しか連想できない固体さんは、
固体さん「それこそあり得んだろう」
きっぱりと一言の元に斬り捨てた。
 
一方、固体さん&NATとは全然別の場所に放り出されてしまったギリアン、裸いでん、そして疑惑のヒトダマは、ことの成り行きに茫然としていた。
ギリアン「……おい……どうなってるんだよこれ……」
ヒトダマ「さ、さあ、私にも何がなんやらさっぱり……」
ギリアン「さっぱりってお前、ログアウトの先くらい把握してなかったのか?」
ヒトダマ「ログアウト先はアーセナルの非常用連絡通路の筈なんですよう。こんなところ知らないですぅ〜〜(泣)」
 そこはどこからどう見ても「非常用連絡通路」等というシロモノとは思えない場所だった。
 かなり広い空間であることは間違いない。そこかしこに人の気配やら機械の作動音やらはするのだが、とにかく薄暗くて、それこそヒトダマではないが何が何やら判らない。
 ちょっと怯えた裸いでんが、ジャンカーコートにしがみついてくる。
ギリアン「プチ、何かわかったか?」
プチ「おそらく、システムデフォルトの影響で現実空間への出現地点にズレが生じたものと思われます。それと……すみませんログアウトの影響でセンサー類が故障してしまったようで。無線も繋がりにくい状態です」
申し訳なさそうにプチが答えた。
ギリアン「そうか、迂闊には動けんな……。プチ、引き続き何とかスネークに連絡を取ってみてくれ」
プチ「了解」
周囲の気配に殺気らしいものは感じられない。だが何となく不穏な空気を感じ取ったギリアンがブラスターを抜いたその瞬間。
強烈なライトが一斉に彼らを照らし出した。
ギリアン「何だ?!」
咄嗟に左手で目を庇うギリアン。
ヒトダマ「ほにゃあっ!!」(ぽてん)
掴まれていた尻尾をいきなり放されて床に転がり落ちるヒトダマ(また吊されていたらしい)。
そんな彼らを取り囲んでいたのは、無数のライトと……なんとTVカメラ!
???〈さあ、難攻不落のダンジョンから生還した挑戦者がこのステージに戻って参りました!〉
ぐいーんとせり上がったカメラクレーンに乗っていた若い女性が、溌剌とした声を張り上げた。
目のくりっとした可愛い女性だが、手に持つマイクは何故かアヒル型だ。
しかしその女性を見た裸いでんが小さくあっ、と叫んだ。
裸いでん「ハルナちゃんだ! WFの進行役のおねえさんだよ!」
ギリアン「なっ……! と、いうことは……」
ここはひょっとして……。
ハルナ〈ちょっと途中、機械の故障により中継が中断されてしまいましたが、さあ、次はいよいよラストステージ! オールクリア目指して頑張ってください!〉
わき上がる歓声と拍手。
ギリアン「ヒトダマっ!!」
むんずとヒトダマの胸ぐらを掴む(といっても何処が胸やら腹やら)ギリアン。
ヒトダマ「はっ、はいっ!」
ギリアン「どういうことだこれは!?」
ヒトダマ「私にもわかりませんよぅ〜(涙)。私はただ、シド・ガーデンに新しくできるダンジョン型アトラクションのスタッフとして雇われただけですもん〜〜。TV中継なんて全然聞いてないですぅぅ(大泣)」
ギリアン「シド・ガーデンのアトラクション?」
それは一体、とギリアンが追求しようとしたその時、裸いでんがギリアンのコートの裾を引っ張った。
裸いでん「ギリアンおじちゃん! あれ見て!!」
ギリアンが顔をあげたその先には、いつの間にか一人の男があぐらをかいて座っていた
背は高く、長く伸ばした黒髪をオールバックに撫でつけている。東欧系とも見えるその顔は端正だがヤケに血の気に乏しい。
そしてピンライトに照らし出されたその男がいるのは……なんと水の上。しかもかなり深い。
ギリアン「な、なんだアイツ……」
ヒトダマ「水の上に浮かんでるぅっ!? オ、オ、オバケぇぇっ!!」
ギリアン「お前が言うな!」
あり得ない光景を目にしてパニくるヒトダマに、ギリアンが的確なツッコミを入れた。
が、確かに怪しさと言う点では、これまでの対戦相手の中では群を抜いているといえよう。
(この展開から察するに……これと戦えってことなのかな……)
ううっ、何かやだな、と思わず弱音を吐きそうになるギリアンであった。
 
次回、「ラストバトル…?」 固体さんたち間に合うんやろか……。

やっと両パート書き終った・・・ 投稿者:日向@休憩中
 
「ラストバトル・・・?」
 
全く唐突・・・というよりも勝手に開始させられるラストステージ開始の合図。
水槽の上で胡坐をかいていた男性が立ち上がり、優雅に一礼してくる。
ギリアン「・・・!こうなりゃヤケ、だ!裸いでん、下がってろ!」
これを使え、とヒトダマに愛用のハンド・ブラスターを渡し、ギリアンもM・Exを抜く。
が。
2人(?)が同時にはなったエネルギー弾はいとも簡単に回避されてしまう。
??「・・・お前、あの男ではないな」
水の上でくるりと回転しながら男が低い声で言う。
ギリアン「誰のことだ?」
??「ソリッド・スネーク・・・今回の挑戦者だったはずだが?」
そう言われてギリアンははっと気が付いた。
思い返してみれば今日のWFは固体さんが挑戦者として出演するはずだった。
それがあんなことやこんなことが立て続けに起こってすっかり忘れていた。
ギリアン「あいつがどこにいるか俺も知りたいさ。だが、」
とりあえずは目の前のお前だとギリアンは銃口を男に向けた。
プチ「ギリアン、気をつけて下さい!あの水槽、生物反応槽です!」
固体さんに無線を飛ばしつつも水槽を調べていたプチがアドバイスしてくる。
ギリアン「・・・何?」
プチ「あの水槽は微生物を活性化させるために絶えず酸素を吹き込んでいるんです。そのため、水の比重が通常よりも軽くなっているので落ちると浮かぶ事ができませんよ」
ギリアン「な・・・っ!」
その水の上でくるくる踊っているあの男、一体何者なのか。
裸いでん「・・・あっ!」
突然、裸いでんが声をあげた。
裸いでん「あのおじさん、パパのパパがいた所の職員さんだよ!」
ギリアン「知っているのか?」
裸いでん「うん、あのおじさん、休みの日はいつもプールで踊ってるもん」
・・・そこまで言われてギリアンも思い出した。
 
数日前のことだ。
何気に道端で買った新聞を読んでいたギリアンは妙な見出しに釘付けになった。
「水上の吸血鬼、貧血で転倒!」
内容は、こうだ。
「溺れたのは老人ホーム「さんずおぶりばてぃ」に勤務する職員、ヴァンプさん(33歳)で、入居していたお年寄りたちを喜ばせるためにプールに水を張り、得意の「水上バレエ」を披露していたところ、演技中に突然バランスを崩し、そのまま水中に落下しました・・・」
 
ギリアン「・・・あいつが・・・ヴァンプ、」
ヒトダマ「ああぅ・・・人間じゃない人と戦うのは嫌ですぅ・・・」
ギリアン「人のことを言える立場か?!」
めそめそと泣き出したヒトダマに突っ込みを入れつつ、ギリアンはどうする、と自問した。
銃が駄目なら・・・
ギリアン「お前、魔法は?!」
MPも少しは回復しているだろう、と言われるとヒトダマは
ヒトダマ「・・・なんか、あの人には通じなさそうぅ・・・」
と弱気の発言。
ギリアン「いいから使え!」
ヒトダマ「は、はぃ〜・・・だから、おなか、おなかは嫌〜〜〜〜」
胸倉(正確には「腹」だったらしい)を掴まれ、わさわさと揺さぶられつつヒトダマがごにょごにょと何か呟く。
ヒトダマ「クール・ダンセルぅ〜〜〜〜!」
ヒトダマが呪文を唱えた瞬間、ふわりと地上に舞い降りてきたのは全身が透けるように蒼い氷の精。
ふっと吐き出す吐息がヴァンプを包み込む!
ギリアン「どうだ?!」
ヒトダマ「ほにゃぁぁぁ!!」(ぼとっ)←手を離されて落ちたらしい
水槽を凝視するギリアン。
だが、もうもうと立ち込める水蒸気(?)で視界が悪く、何もみえない。
・・・と、
ギリアン「うわっ!」
咄嗟に身をひねるギリアン。
その目の前を掠めるようにナイフが飛んでいく。
ギリアン「まさか!」
効かなかったのか、ともう一度水槽に視線を投げ、ギリアンはげっと凍りついた。
ギリアン「・・・水槽を凍らせてどうするんだ、このバカ!」
・・・どうやらヴァンプは回避に成功し、代わりに生物反応槽の水が凍ってしまったらしい。
 
固体さん「どけどけどけどけぇっ!」
会場の通路を爆走しながら固体さんが怒鳴る。
少し遅れてNATが、スカートの裾を掴みながら息を切らしている。
NAT「す、スネーク・・・!もうちょっと・・・ゆっくり走ってよ!・・・うぉわっ!」
べしゃ。
固体さん「早くしろ!置いていくぞ!」
ケーブルに足を取られてコケたNATには目もくれず、固体さんは廊下をばたばたと走り回るスタッフを
なぎ倒し、出口を探す。
つい先ほど、館内を流れたアナウンスが正しければ、今頃ギリアンとヴァンプが戦っている。
固体さん「おい!」
NATが動く気配を見せないので少し心配になった固体さんが立ち止まり、振り返る。
固体さん「何をしている?!」
NAT「・・・プチから無線。ログアウトの影響で電子回路にエラーが出たらしく電波は弱いけど・・・かなり
やばいかもよ」
耳元に手を当て、NATが呟いた。
固体さん「こっちには何も届いてないが?」
NAT「ほら、俺ってデンパな人だし(笑)」
とにかく、急ごうと切れた息を整えながらNATが言った。
(Aパート終了)

トータル600字オーバー・・・ 投稿者:日向@休憩中
 
(Bパート)
ヴァンプ「俺の踊り場を凍らせるとは・・・許さん!」
ギリアン「ってか、水の上で踊るほうが間違ってるぞ!」
プチ「・・・論点、ずれてます」
プチの的確なツッコミ(?)に耳を貸している余裕はない。
既にヴァンプは両手に数本のナイフを手にし、ギリアンめがけて放ってくる。
ギリアン「・・・っ!」
横転して回避し、ブラスターを撃つギリアン。
だが、というかやはり、ヴァンプはその全てを回避してしまう。
ギリアン「・・・あいつを攻略する方法は!」
というよりもスネーク、早く来てくれとギリアンが思ったその時。
「伏せろっ!」
聞きなれたあの声と共に、後ろからミサイルが飛んできた。
ギリアン「スネーク!」
固体さん「・・・待たせたな」(何回目だ?)
スティンガーを手にした固体さんが、ギリアンに駆け寄ってくる。
固体さん「ラストステージがヴァンプか・・・きつかっただろ?後は俺・・・」
NAT「俺にまっかせなさい!」
固体さんの言葉をさえぎり、ピンクフリフリのNATが自信たっぷりに片目をつむる。
ギリアン&ヒトダマ&プチ「・・・(汗)」
NAT「・・・?どうかした?」
プチ「確かに他の女性出場者の衣装だと胸が余りますね」
NAT「う゛・・・」
・・・やはり、本人貧乳を気にしていたらしい(笑)
NAT「・・・そ、それはともかくっ!」
気を取り直し、NATがきっとヴァンプをにらみつけた。
NAT「あいつを伸せばいいんだろ?やってやろうじゃん!」
固体さん「・・・勝算はあるのか?」
AIであったはずのNATが手に入れた肉体を自在に操れるというわけでないのは固体さんも気が付いている。
その、固体さんの不安を感じたかNATが心配ご無用、と言ってくる。
NAT「俺にはこいつがあるからね・・・「アラストル」!」
次の瞬間、NATの手に現れた魔剣アラストル。
・・・と。
NAT「・・・お、重っ・・・」
どす、とアラストルの切っ先を地面に落としたまま持ち上げられないNAT。
固体さん「・・・だからいわんこっちゃないと・・・VRとは違うんだ、お前は下がってろ!」
やっぱり、といった面持ちでスティンガーを構える固体さん。
ギリアン「・・・結局、俺たちで何とかしろってことか・・・」
 
飛び交うナイフと銃弾。
だが、3対1と言う有利な状況にあるにもかかわらず固体さんとギリアンは浅いながらも数箇所に傷を負っている。
固体さん「前からヤツは気に食わんかったが・・・まさかここまでやるとはな」
そう呟いてから、ちら、と後ろで裸いでんを庇うように待機しているNATを見る。
初めて手に入れた肉体だろう、使えなくて当たり前である。
VR空間とは違う重力の概念やデータを扱う攻撃ができない、といったことも徐々に慣れていかなければこの世界で生きていくことは難しい。
だが。
固体さん(まさかここまで無力とはな)
スティンガーを握り直し、固体さんはヴァンプに照準を合わせた。
 
NAT「・・・まさかこんな事になるなんてね」
流れ弾から裸いでんを守りながら、NATが呟く。
どうしてアラストルは自分を現実空間に生み出したのか、と低く呟いたその時。
アラストル<弱音を吐くとは、お前らしくない>
今までずっと無言だったアラストルが初めてNATに声を掛けてくる。
NAT「そりゃ、AIであるはずの俺がいきなり生身の体もらって普通に戦えると思う?」
アラストル<思うわけがない。が、奴らは苦戦しているようだな>
それなら手を貸さないこともない、とアラストルは何やらごにょごにょとNATに耳打ち(?)する。
NAT「・・・んな無茶な」
そうはいいつつもそうか、その手があったとNATがうなづく。
一旦アラストルをペンダント状態に戻し、NATは立ち上がった。
NAT「スネーク、ギリアン、ヒトダマ!!ちょっと俺に協力して!」
固体さん「NAT!お前は下がっていろと!」
足手まといなだけだ、と固体さんが怒気を孕んだ声で怒鳴るが、NATも負けてはいない。
NAT「攻略法があったんだよ!でも俺の力ではムリだから、力を貸して!」
早く協力してと必死に怒鳴るNAT。
それで固体さんも本気だと察したらしい。
固体さん「・・・わかった、協力しよう」
固体さんが協力すると言ったことでギリアンとヒトダマも動く気になったらしい。
NATの回りに3人が集まる。
固体さん「で、どうすれば」
NAT「アラストルに触って」
NATがそう言うと同時にアラストルが再び元の大きさに戻る。3人がアラストルの柄に触れたその時。
低く、そして素早くアラストルが呪文を詠唱した。
NAT「うわ・・・呪文の高速圧縮・・・」
同時に固体さんたちも自らの魂を削られるような、そんな妙な感触がかけめぐる。
・・・そして、唐突にヴァンプの周囲の空間が圧縮し、爆発した。
その爆発に連鎖するようにあちこちで空間の圧縮と爆発が繰り返される。
その数、16回。
NAT「・・・!T.アルテマ16連発・・・?!」
信じられない、といった面持ちでNATが呟いた。
 
次回「黒幕を探せ!」
今度は黒幕伸せるかな〜(ちゅどーん)
 ・・・ふ、フレア・・・(がくり)

鬩ぎ合う 投稿者:天麒麟@はー…
 
「黒幕を探せ」 ……そこまでいけるかわかりません。
 
(Aパート)
T.アルテマの攻撃が収まると、ようやく静寂が戻ってきた。
が、周囲は惨憺たる有様だ。TVクルーたちは何とか避難したようだが、TVカメラも照明機材も、ただのガラクタと化している。
ステージにもあちこちに亀裂が入り、崩壊寸前だ。
NAT「……やった……のかな?」
目の前で炸裂した強力な攻撃魔法の興奮も冷めやらぬ様子のNAT。
だが、魔法を発動させるために精神力の殆どを奪われた形の固体さんたちはそれどころではない。
鉛のように重い疲労感に襲われ、立っていることもままならない状況だ。
がっくりと崩れるように座り込んでいるその足下には、完全に失神したと思われるヒトダマが力無く転がっている。
固体さん「どうだ……ヤツは……どうなった?」
NAT「わからない……視界が悪くてよく見えないんだけど、でもあれだけの攻撃を受けてるんだ、きっと無事ではいられないさ」
固体さん「これで倒れてくれなければ俺たちは……ぐっ!」
苦しげな呻きを漏らす固体さん。
NAT「スネーク! ギリアン!」
ギリアン「魔法の発動が……こんなにもきついとはな……」
額に脂汗を滲ませながら、ギリアンが必死に言葉を絞り出す。
大丈夫だよきっと、とNATがそう言いかけたその時。
NATは信じられないものを見た。
薄れていく粉塵の中、ゆっくりと歩み寄ってくる背の高い人影。
NAT「そ、そんな……!」
嘘だろ……という言葉が喉の奥に絡む。
冷たい異相が、愕然としたNATの表情を認めてにやりと笑う。
ヴァンプ「流石に今のは効いたぞ……だが、まだ俺は倒れぬ」
ダメージを受けていない訳ではなさそうだが、その全身を包む薄赤いオーラが彼を守っているらしい。
NAT「ど、どうすんだよアラストル! あいつ、無敵化してるじゃないか!」
アラストル〈心配ない。あれで終わりではない〉
泣き声で抗議するNATに相反してアラストルの声は冷静である。
アラストル〈いつまで寝ている。まさか我より霊性の高いお前が、あれでくたばった訳でもあるまい〉
アラストルの声は明らかにNAT以外の誰かに向けられていた。
NATがえっ、と首を傾げたその瞬間。
???「レデュース・ガード!」
やや青みを帯びた光がヴァンプを包み、纏っていた薄赤いオーラを消し去ってしまう。
ヴァンプ「むっ?!」
自らの身に起きた異変を察したヴァンプが、ざざっと数メートル程一気に飛びすさった。
呪文を放ったのは……。
NAT「ヒトダマ……?」
いつの間に失神から醒めたのか、まだ少々ふらふらしつつもヒトダマが宙に浮かび上がる。
アラストル〈こんなこともあろうかと、T.アルテマ発動時に霊力の一部をフィードバックさせておいた〉
NAT「んな無茶な…」
どうやらヒトダマが失神していたのは、霊力を削られた挙げ句再び強制的にフィードバックされたか
ららしい。
ヒトダマ「皆さん下がっていてください。リミッター解除して大魔法発動させます」
固体さん「大丈夫か? さっきの攻撃魔法でさえ凌いだんだぞあいつは」
ヒトダマ「レデュース・ガードで向こうの防御力下げましたからだいじょぶです」
アラストル〈……もう、変な情けはかけるなよ〉
アラストルが妙な発言をする。
アラストル〈その慈愛ゆえに、何より無敵で最も無力……難儀な存在だな〉
ヒトダマ「……ほっといてください」
一体この二人(?)の間にどんなやりとりがあったのか。
しかしそれ以上は語ろうとはせず、ヒトダマは虚空に手を伸ばした。そして何かを掴むような仕草を見せたかと思うと……。
ずるり。
何もないはずの虚空から、異様な形状の大剣を一振り抜き出した。
長さは軽くアラストルを凌ぐだろう。柄の握り部分にまで及ぶ湾曲した長大な刃は、どこか有機生物すら連想させた。
NAT(唖然として)「あ、あれは……まさか魔剣「スパーダ」?!」
なんであんなものをあのヒトダマが!?
固体さん(少々呆れて)「……恐るべきはマニアだな」
あ、よっこらせと気の抜けたかけ声と共に巨大な魔剣を床に突き立てるヒトダマ。
ヒトダマ「んでは参ります」
ギリアン「……今度は外すなよ」
ヒトダマ「ああん、あれはギリアンさんが私のおなかわしゃわしゃしてたからじゃないですかあ〜。
あの状態で当てろって方が無理ですもん〜〜」
固体さん「いいからさっさと撃て!」
ヒトダマ「はぁい」
スパーダの柄を握りしめると、ヒトダマは呪文を唱えはじめた。
(Aパート終了)

やや下ネタかも(汗) 投稿者:天麒麟@うへぇ
 
(Bパート)
ヒトダマ「我焦がれ、誘うは焦熱の儀式……」
突き立てられたスパーダを中心に、光が複雑な魔法陣を描き出す。
以前に「セレスティアルスター」を撃ったときはヒトダマの全身が光り輝いたのだが、どうやらこれが本来の発動方法であるようだ。
ヴァンプ「くっ!」
再び攻撃が自分に向けられたのを察したヴァンプがナイフを構える。
それと同時に
ヒトダマ「其に捧ぐるは炎帝の抱擁!」
呪文が完成した。魔法陣が一際鮮やかに輝く。
NAT「発動するよ! スネーク、ギリアン、下がって!!」
NATが絶叫した直後、リミッターを解除したヒトダマが最後の一言を放った。
ヒトダマ「イフリート・キャレス!!」
その瞬間、ステージ上は荒れ狂う地獄の業火に包まれた……。
 
固体さん「……おい生きてるか?」
ギリアン「ああ、何とかな……」
T.アルテマ16連発で半ば崩壊しかけていたステージは、ヒトダマの放った「イフリート・キャレス」のお陰でスタジオごと焼け焦げた瓦礫の山と化していた。
しかも、ヴァンプを飲み込んで尚勢い余った特大の火柱が天井を突き破ったお陰で……。
NAT「……あー、いつの間にか夜が明けてるよー……」
プチ「日射しが眩しいです……」
こんな状況である。
にも関わらず固体さん達がほぼ無傷であったのは、大魔法発動中にヒトダマが防御力を急激に増加させる補助魔法「ガード・レインフォース」を彼らにかけたからであった。
NAT「補助とはいえ2種類の魔法を同時に使うなんてさ……無茶もいいとこだよ」
固体さん「だがまあ、流石にこれで決着は付いただろう……おいヒトダマ、しっかりしろ!」
MPを使い果たし、魔剣「スパーダ」の側で完全に伸びていた無茶の張本人を抱き上げ(掴み上げ?)ゆさゆさ揺さぶる固体さん。
と、小さく呻いてヒトダマが身じろぎしたその時。
からり、と瓦礫の欠片が崩れる音がした。
一同の間に戦慄といやーな予感が走る。
……ま、まさか……。
ヴァンプ「……ぬがはぁぁっ!!!」
瓦礫を押しのけて立ち上がるヴァンプ!
固体さん&ギリアン「何ぃぃぃぃっっっ!!」
防御力が下がったところへあの業火の直撃を受けてまだ無事なのかこの男は!
いや、全て無事ではないようだ。少なくとも身に付けていたものは再起不能の大ダメージを受けていたらしくつまり……。
NAT「あ、あはははは、こりゃまた「チン事」だね(汗)」
ヒトダマ(目が醒めたらしい)「ほぎゃああっっ! これはダメですボーナスショット過ぎます!! も、モザイク入れてモザイクぅぅ!!」
ギリアン「そういう問題じゃないだろ」
律儀にもびしっと突っ込むギリアン。
しかしここまで不死身だと他に打つ手はあるのだろうか。反射的に身構える固体さん。
その時。
裸いでん「……えいっ」
すこぱーーーん。
やたら軽い音が響いた。
ヴァンプ「ぐはあっ!?」
何かがヴァンプの広大なおでこ(注:傷跡有)にクリティカルヒットしたらしい。
そのままゆっくりと後ろに倒れ込み……大の字(微妙に、太?)になったままヴァンプはついに、ぴくりともしなくなった。
その側には今し方裸いでんが投げつけた「レーションの空き缶」が落ちている。
もしかしてこれは……。
ギリアンは以前に読んだ新聞記事を思い出し、固体さんは事件の当事者であったことを思いだした。
ギリアン「なあひょっとしてコイツ……」
固体さん「言うなギリアン。これまでの苦労が水の泡になる」
疲れ切った固体さんの表情に、ギリアンは「初めからデコ狙えば倒せたんじゃ…」という疑問を飲み込んだ。
 
固体さん「取り敢えずバトルは全て制したが……」
ギリアン「後はこの巫山戯た企画を考え出した張本人を引きずり出す必要がある、だろ?」
スタッフが全て逃げ出し、タダの廃墟となったスタジオに、丸く車座になって座る一同。
ヴァンプはまた生き返られると厄介なので、そこら辺にあった焼け残りのコード類でがんじがらめに縛り上げて転がしてある。
固体さん「黒幕については、思い当たる節がないでもない。これまでの情報を照合すると、一人だけ全てに共通する人物が浮かび上がるんだ」
固体さんの口から出た思いがけない言葉に、一同がえっ、と異口同音に声を上げた。
NAT「スネーク……それは一体……」
何故か溜息を吐きつつ固体さんは言葉を続けた。
固体さん「俺としてはあまり当たっていてほしくないんだが……俺の兄貴だよ」
 
次回、「因縁」 とうとう兄弟対決、かな?

訳分からんし 投稿者:日向@うへぇ
 
「因縁」
 
NAT「スネークの兄貴・・・?それって・・・」
ギリアン「ソリダス、か?」
小さくうなづく固体さん。裸いでんの頭をくしゃっと撫でながら
固体さん「こいつの育ての父親でもある」
ギリアン「割に、お前に懐いているよな」
ギリアンの言葉にどうでもいいだろ、と答え、固体さんは話を続けた。
固体さん「なんで兄貴が、と思ったかなんだが兄貴が昔ネオ・コウベ・シティの市長をしていたのは知っているか?」
ギリアン「・・・ああ」
知っているも何も。
権力を追い求めるあまりの大規模な汚職はネオ・コウベ・シティ史上例を見ない程の山吹色のお菓子が飛び交ったと言われている。
そのため、失脚したと報じられたのだが・・・
あ、それネットニュースで見たと呟く。←デンパな人ですから。
NAT「・・・ろくでもない兄貴を持つと大変だね」
固体さん「・・・ああ、全くだ」
ヒトダマ「・・・ん〜それで、そのパパさんがどうして」
だから裸いでんくん、尻尾も前髪も駄目なのよ〜とおもちゃにされつつヒトダマが尋ねる。
固体さん「その兄貴に金品を渡していたのが「G.W.」だと言われている。実際に渡していたのは別の会社だが、「G.W.」のダミー会社であるという報告もあったしな」
それに、その調査は俺が担当していたから覚えている、とさすが迷探偵。
つまり、とギリアンが呟いた。
ギリアン「まだ「G.W.」とソリダスがつながっていると?」
固体さん「兄貴が「三途おぶりばーてぃ」の所長になったのも「G.W.」の根回しがあったからとも言われているしな・・・あくまでも推測の域を出んが」
でももし「G.W.」と兄貴がつながっていれば今回の件はなんとなく納得がいく、と固体さん。
固体さん「兄貴の汚職をすっぱ抜いたことで兄貴は俺を恨んでいる」
NAT「・・・ワールドファイターズを通じて、スネークを消そうと?」
多分、と固体さんはうなづいた。
固体さん「実際俺が出演する日に限って何らかのトラブルが発生する」
前回の出演日はよりによってヴァンプがハリアーで攻撃してきたしな、ととほほ顔になる。
ギリアン「・・・なんで辞めようと思わないんだ」
そんなにトラブルに巻き込まれるなら辞めればいいのに、とギリアンが不思議そうな顔をすると。
固体さん「本職(探偵業)以外で実入りのいいバイトはそうそうないからな」
NAT「「Who Dares Wins」を地で行ってない?」
固体さん「悪いか」
昔の自分の台詞を引用された固体さんが少々むっとしたようにこたえる。
固体さん「・・・しかし、最近特にそれがひどくてな。どうやら、俺が強すぎるという話も一部じゃ出てるらしい」
ギリアン「確かにな。C4セットに遠投で飛び道具も完備、近距離じゃお前、一度リカちゃんを瞬殺したろ」
固体さん「・・・気絶させただけだ」
縁起でもない事を言うな、かなり弁解気味の固体さん。
NAT「・・・それと「G.W.」がどういう関係なのさ」
腑に落ちないNAT。
固体さん「俺が強すぎる所為で番組のオチが分かると視聴率が下がり気味らしい」
ヒトダマ「あ〜そういえば「G.W.」てアトラクション建設会社で、ワールドファイターズのスポンサーの一つでしたからね〜」
ギリアン「つまり」
分かった、とギリアンが呟いたその時。
??「その通りだ!私と「G.W.」の利害が一致したのだよ!」
突然、にゅっと伸びてくる触手。
その先が狙うのは・・・裸いでん?!
NAT「裸いでん、危ない!」
咄嗟に裸いでんを庇うNAT。
狙いを外した触手が、NATの首を掴んで持ち上げる!
NAT「・・・ぐっ!」
固体さん「!NAT!!」
首を締められた状態で中に吊り上げられたNATが苦しげに呻く。
NAT「ま、まず・・・っ」
落ちる、落ちるともがもがもがくNAT。だが人並み以下の筋肉で振り解けるというほど相手も弱くない。
固体さん「兄貴!」
ソリダス「・・・なんだこいつは?」
見た事のない顔だな、とソリダスがパワードスーツの触手の先のNATを見ながら呟いた。
固体さん「自分の息子をだしに俺をはめたな!」
ソリダス「それがどうした?しかしこいつ・・・(片方の触手でNATの首を絞めつつもう片方の触手で走査しながら)何者だ?」
NAT「・・・だから・・・放せと・・・ぐげっ」
脳内を駆け巡る電流に耐えられず白目を剥いてぐったりとするNAT。
固体さん「兄貴!そいつを放せ!相手は俺が・・・ぐっ!」
立ち上がり銃を抜く固体さん。
だが、先ほどのT.アルテマ16連発で削られた精神力と体力が気力に追いつかない。
がば、とその場にひざをつき、苦しそうに喘ぐ。
固体さん「く・・・まさかこんな・・・」
じりっとNATを触手で掴みあげたままのソリダスが固体さんに近寄ってくる。
その手に握られているのは・・・P90!
ソリダス「お前が私の調査をしなければ・・・!」
ぐい、と固体さんの頭にP90の銃口が押し付けられる。
ソリダス「あの世へ行け!」
その言葉と同時に、ソリダスは引き金にかけた指に力を込めた。
(Aパート終了)

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