過去ログ(No.171〜180)
  
とほほほほ・・・ 投稿者:日向@あぁぅ・・・
  
(Bパート)
  
伍長にすごまれ、しぶしぶといった感じで口を開くNAT。
NAT「聞いても仕方ないと思うんだけどなぁ・・・」
ランダム「まあ、そう言うな。あの状況であそこまでできたのはほめてもいいぞ」
・・・電脳空間で一体何があったのやら。
とにかく、ランダムに言われNATが少々嬉しそうな顔をした。
NAT「ほんと?じゃあ、話すよ」
  
(時間は少々さかのぼり・・・)
久々の電脳空間に、NATはふう、と息をついた。
NAT(・・・やっぱ、ダメージが大きすぎたかな)
現実と同じ実体を再現するにはそれなりに膨大なデータが必要になる。
以前のNATなら、AIを構成するシステムデータだけでも余裕で構成できただろう。
・・・だが。
人格以外のデータの大半を吹き飛ばした状態で前の姿を再現するのにはかなり無理があったようだ。かなりの箇所でデータの結合がゆるくなり、いつ全データが分解するか・・・な状態、とも言える。
NAT(無茶せずヒトダマ風になってもよかったかな・・・)
そのほうが必要なデータ量は少なくてすんだかなと思いつつも、そのまま全ネット検索をかける。
必要なのはデータの破損時に利用するライブラリ。
ネットの海に散らばった他の「オリジナル」が利用しやすいよう、検索自体はかけやすくなっている。
だから、NATもすぐに位置を特定することに成功した。
検索の網を解除し、目的の場所へと身を躍らせる。
と、そのNATの視界の隅に見覚えのある銀髪が掠めていく。
NAT(ランダム・・・? そっか、電脳そのものだもんね)
せっかく見つけた端末、システムだけでも復旧したいんだよねとNATはそのままライブラリに接触した。
人格データに記録されている10000桁のパスワードを認識させ、さらに複雑な手順を踏んで開放されるライブラリ。
すぐに目的のデータを探し出し、NATはDLを開始した。
  
ランダム「・・・ややこしいところに入りやがって」
ランダムが、苛立ったように舌打ちをする。
どうやらこのライブラリのセキュリティは特殊なつくりになっているらしい。
入り口に接触した時点で電脳内に登録されているパスワードを読み取るため、違うものが接触した時点で部外者排除のプログラムが働くようになっていたらしい。
ランダムの周りを侵入者撃退用のウィルスが取り囲む。
対する自分は殆ど丸腰。
NATが出てくればなんとかなるだろうが自分一人では・・・
すばやく周りを見回し、警戒網の薄そうなところを探す・・・が、それも見当たらない。
気の早いウィルスが、ランダムに攻撃を仕掛けてくる。
それを回避したとたん、他のウィルスたちも攻撃を仕掛けてきた。
  
NAT「・・・さて、こんな感じかな」
必要なデータを一通りDLし終わったNATが呟く。
NAT「ランダム・・・触っちゃったか」
NATも気付いていた。
DLを開始した直後、セキュリティシステムが起動したことに。
ランダムのことだから、暫くは大丈夫と思っていたが・・・
NAT「復旧は後回しかなぁ・・・」
セキュリティシステムは侵入者を撃退、もしくは追尾不可能になるまでは働き続ける。
と、いうことはウィルスの群れに一発かまして即、離脱するしかないか。
NAT「耐えられるかな」
意味ありげに呟くと、ライブラリの扉を開く。
NAT「ランダム!下に1万、10時に5千!」
そう、叫ぶと同時に両手に周囲のデータを集束させる。
ランダムが指定した場所に移動したのを確認し、NATはパワー全開の「神の光」をウィルスの群れにぶち込んだ―――
  
ヒトダマ「・・・で、またデータ吹き飛ばしたんですかぁ?」
NATの話を聞き、ヒトダマが呆れたように声を上げる。
自分はAIではないから電脳空間でのデータの云々はよく分からない。
でも、なんとなく予想はできる。
他の「オリジナル」と違い、自身のデータを消費しないNATの「神の光」が周囲のデータを集束、変換、発動させるものなら・・・
NAT「システムがある程度は残ってたら修復は可能なんだけど」
今回は本当に死ぬかと思った、とぼやく。
・・・そう、ランダムを助けるために放った「神の光」は結合が緩くなっていたNATのシステムデータまで削ってしまっていたのだ。
NAT「というわけでDLしたデータのセットアップするからさ、俺、暫く起きないと思う」
伍長「ちょっと待てや。ということはだ、さっきの爆発は・・・」
そういえば何が原因だったんだ、と改めて聞いてみる伍長。
ああ、それはとランダムが答えた。
ランダム「ウィルスがしつこくて・・・俺たちを追ってきたんですよ」
NAT「そう、あと一瞬ジャックアウトが遅かったら・・・(汗)」
そもそも、ランダムが迎えに来なきゃこんなことにもとぼやくNAT。
その頭をぐわしぃっと伍長が(また)掴んだ。
伍長「そもそもお前が勝手な行動をしたからだろうがヴォケが!」←あっ
NAT「ううっ、ごめん、ごめんなさいぃ〜」
完全大泣きのNAT。
・・・この後、NATがどうなったかって?
オレは怖くて言えないよ。
  
次回「せめて、人間らしく」←またパクリかよ
  
遅くなってすみませんでした。

ぺんぺんです 投稿者:天麒麟
  
「せめて人間らしく」……つうか、人のこと言えるヤツぁいないだろ。
  
(Aパート)
NAT「ううっ……ひ、ひどいよぉ……(涙)」
格納庫内にNATの啜り泣きが谺する。
伍長「その程度で済ませてやったんだ。ヒトダマとランダムに感謝するんだな」
最後の一本を口に銜えながらそう言うと、伍長は空になったラッキーズの箱をくしゃっと握り潰した。
伍長としてはもっとイロイロ折檻したかったらしい(ぇ)のだが、ヒトダマとランダムの(決死の)取りなしで古式ゆかしい懲罰方法「おしりぺんぺん」(笑)だけで事なきを得たのだ。
もっとも、液体さんですら一撃で沈める伍長の膂力である。その一打一打はまさしく重爆撃並の衝撃で、僅か数発くらっただけでNATはあっさり失神した。
NAT「叩かれたのはおしりなのに、頭の芯までくらくらするよ……」
ヒトダマ「帰ったらおしり冷やしましょうねえ」
意識の戻ったNATに泣き付かれたヒトダマが、NATの頭をなでなでしてそう言う。
伍長「電脳空間で何があったかはわかった。あの爆発の原因もわかった。……で、肝心のコペルソーンエンジンとやらのことは判ったのか?」
NAT「…………あ゛」
伍長の言葉にNAT、思わず固まる。
NAT「バックアップデータDLするのに夢中で、すっかり忘れてた(汗)……」
伍長「……どーせんなこったろうと思ったよ……」
伍長の声音に、思わずおしりを押さえて後ずさりするNAT。
NAT「いやだってランダムが……」
伍長「人のせいにするんじゃないとさっきも言っただろーが。第一あの状態で攻撃されたとき、ランダム以外にお前(の意識)を連れ戻せるヤツがいるのか? ああ?」
NAT、思わず沈黙。
伍長「元はAIかもしれんが今のお前はれっきとした人間だ。いつまでもAIだった頃に固執すんな。人間として生きることを考えねぇでどーするよ」
ヒトダマ「そ、そうはおっしゃいましてもぉ」
今まで黙って聞いていたヒトダマが間に割って入る。
ヒトダマ「システムデータの復旧は必要ですよ〜。それが吹っ飛んじゃったために、NATさん日常生活にも支障が出てるんですからあ」
伍長「ヒトダマお前……」
わしっ、とヒトダマの胸ぐら(腹?)を掴む。
伍長「お人好しすぎるにも程があるぞ!」
ヒトダマ「ほっ、ほにゃああっ! ご、伍長さんそこお腹っ! お腹ダメですくすぐったいですぅぅ〜〜!!」
伍長にくすぐられて悲鳴(歓声?)を上げるヒトダマとは対照的に、NATは硬い表情で俯いた。
と、その肩を叩く者がある。
ランダム「ま、あまり気にするな。誰も怪我らしい怪我もしなかったんだ。この教訓を次に生かせばいい」
一番ダメージを受けたのは彼の着ていたジャケットだったのだが、ぼろぼろになったそれの代わりに
ランダムは液体さんのコートを羽織っていた(やっぱり寒いらしい/笑)。
NAT(悔しそうに)「先にコペルソーンエンジンのデータファイルにアクセスしとけばよかったんだ。
DLだけならシステム復旧させなくてもできたんだし……」
でも今から再アクセスは無理だろうな、と未だうっすらと黒煙漂うコックピットを見上げる。
ランダム「本体が組み込まれてるんならJUNKER本部に連絡してこいつをバラして貰えばいいさ。それに……」
NAT「それに?」
ランダム「それらしきファイルなら俺が電脳空間で見つけた」
にやりと笑うランダム。NATは一瞬絶句し……。
NAT「……なんでそれを先に言ってくんないのさーーー!!?(半泣)」
次の瞬間、思いっきり絶叫していた。
  
伍長「……で?」
ランダム「見つけるには見つけましたがね。どうやらVRシステムを起動させるためだけのベース・プログラムのようで、特定の時空へアクセスするためのアプリケーションは存在しませんでした」
伍長「確かか?」
ランダム「ええ、周辺のそれらしきファイルも一通り閲覧はしたんですが。多分、別ファイルになっているんでしょう。アーセナル計画についてのファイルも然り、です」
NAT「ネット接続不可の、完全スタンドアローンになってるのかな……若しくは外部記憶装置か……」
伍長「とにかく、これ以上ここにいても情報は望めんようだな。一旦脱出して策を練り直すとすっか。NAT、セットアップはデイヴんとこ戻ってからにしろ。今ここで寝たらそのまま置いてくぞ」
NAT「……へいへーい」
伍長の言葉にちょっと口を尖らすNAT。と、ふとヒトダマがまだゲームソフトを抱えたままであることに気付いた。
NAT「ヒトダマ、それどーすんのさ」
ヒトダマ「えへへ、伍長さんがくれたんですよぉ(注:伍長のではない)。帰ったらをたこんさんにお願いして、ハード作ってもらおうかなーって」
嬉しそうにそう言うと、ヒトダマはパッケージを開けて……。
ヒトダマ「……ほにょ?」
怪訝そうに体全体をかしげた。
(Aパート終了)

一応脱出まで 投稿者:天麒麟
  
(Bパート)
ヒトダマを訝らせたのはパッケージの内容だった。
本来2枚組+他ゲームの体験版という3枚セットの内容の筈が、その体験版ディスクの代わりにレーベルの貼ってない無地のディスクが入っていたのだ。
伍長「無地のディスクか……こいつぁ、調べてみる価値がありそうだな。ひょっとすると、ひょっとするかもしれんぞ」
NAT「もしかしてアーセナル計画の……?」
伍長「だとすれば、こいつがコレを持ち出したのは結果的にお手柄ってことになるが」
ぐしゃぐしゃとヒトダマの頭をこねくり回す。押さえつけられて半沈みになったヒトダマが伍長の手の下で藻掻いた。
と。
ヒトダマ「ああっ、眼鏡が(汗)」
眩い閃光と共に、ヒトダマの姿が黒髪の少女に変わる。その手の中には、フレームの弦部分がぽっきりと折れた眼鏡があった。
伍長「ありゃあ……ついに折れちまったか」
ヒトダマ「あうぅ、このフレーム、気に入ってたのにぃ(涙)」
伍長「泣くな泣くな。後で何とかしてやるから。とにかくここから出るぞ。……ほらNAT、何ぼーっと突っ立ってる」
NAT「い、いや、あの(汗)」
ヒトダマの変身を目の当たりにして茫然としていたNATは、伍長にどやされてようやく我に返った。
NAT「ヒ……ヒトダマ、だよ、ね?」
ヒトダマ「はあ……お恥ずかしながら」(←?)
伍長「詳しい話は帰ってからだ。ランダム、その一輪車に後何人乗れる?」
ランダム「元が一人用ですからね、二人が限界ってとこです」
ヒトダマ「あ、私並走しますから人数にいれなくてもいいですよぉ」
ふわり、とその体が宙に浮く。飛行能力は健在のようだ。
伍長「とすると、リキッドをどうするかだが……」
伍長は、怯えた表情で階段下に蹲っている液体さんをちらっと目の端で見ると、
伍長「……置いていくか」
あっさり捨てた。(ひどい…)
  
NAT「……いいの? 置いていって」
ハンドルを握るランダムの後ろにNAT、そして伍長を乗せたロードランナーは、外へと続く連絡通路を走っていた。
伍長「必要な情報は概ね手に入ったからな。追加事項があれば、その都度呼び出して尋問してやるさ」
ふっふっふっと不気味な含み笑いを漏らす(怖)伍長に、NATの表情が引きつる。
伍長「ヒトダマぁ、ちゃんとついてきてるか?」
ヒトダマ「はあい、だいじょぶですぅ」
やや遅れて、それでもきちんと追走しているヒトダマが、外見に似合わない間延びした口調で応えを返した。
ヒトダマ「それにしても広い通路ですねえ」
伍長「これくらいないとRAYを格納できねえだろ……そら、もうじきゴールだ」
遙か前方に巨大なゲートが見えてきた。しかし、分厚い鋼鉄製のそれは閉じたままだ。
伍長「NAT、ゲートの制御システムにアクセスできるか?」
NAT「残念だけど、今の俺じゃ端末がないと無理だよ」
伍長「肝心な時に使えねぇんだなあ」
ランダム「そういう伍長こそお得意の爆破物はどうしたんですか?」
伍長「自慢じゃねえが、手持ちじゃちと足りねぇ。ここに潜入するのに思ったより使ったからなぁ」
NAT「何だよ自分だって……」
伍長「あん? 何か言ったか?」
NAT「い、いえ、何でもないです……(びくびく)」
しかしどうしたもんか、と伍長が首を捻ったそのとき、並走していたヒトダマがいきなり速度を上げてバイクの前に躍り出た。
その手に見覚えのある異様な大剣が握られているのを見たNATが思わず叫ぶ。
NAT「ランダム、バイク止めて! ヒトダマの前に出ると巻き込まれるよ!」
ランダム「!?」
咄嗟に思い切りブレーキをかけるランダム。タイヤを軋らせて停車したその前方に、ヒトダマがふわりと降り立つ。
降り立つと同時に、床に複雑な魔法陣が展開された。
ヒトダマ「アブソリュート・ゼロ!!」
呪文を放つと同時に、あらゆるものを凍り付かせる絶対零度のブリザードがゲートめがけて襲いかかった――。
  
無事要塞からの脱出に成功した一同は、NAT達が乗ってきたトライサイクルの側へ戻ってきていた。
伍長「しかしそれにしても……絶対零度の冷気を操ってゲートだけを吹き飛ばすとはなあ」
NAT「呪文詠唱省略してこの威力だもんね。しかも例によって制御したみたいだし」
ヒトダマの放った氷系大魔法「アブソリュート・ゼロ」はゲートだけを瞬時に凍り付かせると、粉微塵に打ち砕いてしまったのだ。
その強力魔法を放った本人は、これまた例によってMP切れで失神、今は伍長に抱きかかえられている。
NAT「で、これからスネークんとこ戻るの?」
伍長「いや、その前に眼鏡屋だ。こいつの眼鏡を直してやんねえとな」
NAT「?」
伍長「デイヴのヤツ、ロリコンだからなあ。このままだと確実にヤツのエジキだ」
ランダム&NAT「エジキって………」
人のこと言えるんかい、と内心ツッコミつつ、怖くてそんなことはおくびにも出せない二人であった。
  
次回、「Twilight」  ………いいなあお姫様だっこ………(by NAT

Twilight 投稿者:はやた
  
何が何だか
  
トライサイクルにロードランナーを積み込み、ランダムが運転する(まだ死にたくない)と言う事で一同はやっと帰路に着いた。
NAT「なんだか 目の前にお星様がキラキラしてる…」
NATの言葉に伍長はおでこに手をやった。
伍長「!熱で出るじゃねェか ほら、これ飲め」
電脳空間でかなり無理をしたNATの生身の体がオーバーヒートし、熱を出していた。伍長が尻のポケットに入っているヒップフラスコを取り出しNATの口につける。
ランダム「ご、伍長 それっ」
ランダムが止める間もなくNATは伍長に差し出された液体を飲んだ
  
ボン!!!
  
ロックのままのウイスキーを飲んだNATは煙を吐いて伍長の膝の上に伸びる。
ランダム「未成年(?)に何 飲ませてるんですかっ(怒)」
伍長「気付薬だよ。明日になりゃぁ体調も良くなって目覚めスッキリ 二日酔いもなしだ。」
さっさと眼鏡屋に連れて行けと急かす。ヒトダマはいつの間にか眠っており、すやすやと寝息を立て、NATは伍長の膝の上でアルコールの悪夢にうなっている。西の空には宵の明星が瞬き始めた。
  
伍長「こんなフレームでいいか…」
いくらゆすっても「うふふふふ〜固体さんたらぁ」としか言わないヒトダマをランダムに預け、伍長は眼鏡屋で壊れた眼鏡と似たようなフレームを買い元の眼鏡からレンズをはめ換えてもらう。ふと、19時のニュースの地方版で『第21回ネオコウベ新聞賞エメラルドステークス』本日の最終レースで百万馬券が出たという見出しが目に入った。換金に来た男はカメラを避けてはいたが、チラリと顔が映る。見覚えのある顔だった。
伍長「ほう?」
眼鏡を受け取った伍長は「ゴジラのテーマ」を響かせ不気味に笑いながら店を出た。
  
固体さん「…窓でもあいてんのか?」
妙な寒気に固体さんは周りを見回した。JUNNKER本部から戻る途中、馬券を換金し温泉宿のパンフを貰ってきていた。そして今は夕食の準備に勤しんでいるのだが、運命の時まで後30分!!
  
ランダム「伍長、仕事はしているんですか?」
伍長「ん?ああ、でも花火師(笑)は夏まで仕事はねぇし、そろそろ本職に戻ろうかと思ってな ランダム、お前の方はどうだ?」
NATの鼻を摘むとうなった。それを笑いながら伍長はリュックから新しい煙草を取り出し、一本をランダムへとくわえさせ火をつける。ヤンキーな伍長はキツイラッキーズの緑を吸っていた。
ランダム「相変わらずですよ。でも、JUNNKERは多少人手不足なとこもありますね。」
伍長「お互い 苦労しているな。」
暗くなった世界についたネオンが後ろへと流れ、空には満天の星。
それを見ながら呟く。
伍長「ったく、デイブは疫病神だ。あいつが関わる事はろくな事がねぇ」
ランダムは笑った。それは確かに言えていた。
伍長「で、何でお前があそこにいたんだ?」
ランダム「スネークに「自分が見張ってたら、どこにいようがヒトダマにバばれるから頼む。」と言われて」
なるほどと伍長はヒトダマを見た。
今日は色々な事があり過ぎた。ヒトダマ、NAT、電脳空間、そして不思議なソフト。大変なことに巻き込まれたのは確かだが、大変なことには慣れている。ランダムのタフさは伍長のデーターからのものだった。伍長も同じ事を考えていた。
  
ランダム「着きましたよ。」
地下駐車場にトライサイクルを止める。ロードランナーを下ろす脇で伍長はヒトダマに眼鏡を装着し、それでも眠ったままのヒトダマの尻尾を掴んだ。
ヒトダマ「ほにゃああぁぁぁ!あ、あれ?ここどこですかぁ」
目を覚ましたヒトダマ(尻尾を掴まれた事には気付いていない)をよしとして、伍長はNATを抱えた。
ランダム「何も背負えば…」
伍長「あ?こいつ、さっきヒトダマをこうやって抱えてたらうらやましそーに見てたんだよ」
頭に?マークをいっぱいつけたヒトダマと、ランダム、NATを抱えた伍長は階段を上がっていった。
  
事務所に戻ってNATをベットに寝かせると、伍長はいきなり固体さんの頭を掴んだ。
伍長「人様に仕事をやらせて、競馬とはいい度胸だ」
止め様にも止められない人たちの前で5人目の犠牲者が出る寸前、をた坊が温泉宿のパンフを恐る恐る差し出した。
をたこん「あ、あの〜 仕事の後に換金してきたんですけど、これ〜…」
伍長「ぁあ?」
右手で固体さんの胸ぐらを掴んだまま、伍長の迫力に半泣きのをたこんが差し出したパンフを受け取る。
  
数秒後、
伍長「俺たちをねぎらってくれるのかぁ。なら、お前と同室という条件で許そう。今日は疲れたから飯食って寝るは。詳しいことは明日かランダムに聞け。」
誰もが、わーい温泉。喜びたい所、真っ白になってシクシク泣く固体さんを背に、引きつった笑いしか浮かべられなかったのだった。

遅ればせながら 投稿者:はやた
  
前回はA/Bパートの書き忘れすいませんでした。
  
(Bパート)
伍長「そっか、NATは生まれたばっかみたいなモンなんだな」
伍長はアルコールの悪夢にうなされながら眠るNATを看病しながらヒトダマに呟いた。
ヒトダマ「はい、だからNATさん心配なんですぅ。二日酔いは確実だと思いますし、人間っていう物がどういうものなのか解ってないから…」
伍長はNATが嫌いな訳ではなく、言われた事を守らないのがイヤなのである。しかしNATの素性は、デイヴから軽く聞いていただけで 今の今までしっかりとは知らなかったのだ。
ヒトダマ「伍長さん、NATさんの看病は私がしますからそろそろ寝た方が」
伍長「ああ、いや大丈夫だ。なんかあってもお前じゃぁ何もできんだろ。それに俺ゃぁ医者の真似事もできるさ」
ここで何も言わない方がいい事を学んでいたヒトダマは、変わりにお手伝いすることにした。
  
固体さんは灰になりながらもランダムから今日の事件の顛末を聞いていた。
ランダム「リキッドの持っていた情報は伍長が聞き出したから 伍長に…」
固体さんはそれ以上ランダムに喋らせなかった。
固体さん「ご、ご、伍長に聞けと?そんな恐ろしいことできるか!ランダム お前も一緒に…」
すさまじい音を立ててドアが開く。戸口には怒りをみなぎらせた伍長が立っていた。
伍長「きっさまぁ、病人がいるのに大声で騒ぐとはいい度胸だ...」
伍長の後ろには どうにか止めようとしたらしいヒトダマが雑巾のようになって落ちているではないか!じりじりよってくる伍長に固体さんは無駄な抵抗と知りつつも言い訳を口にしようとした。
伍長「問答無用!!」
  
どうにか伍長の怒りから逃れたランダムはため息をついた。夜更けなので、リキッドのように叫びは上が上がるようなことはないものの、疲れの限界にきている(だろう)伍長のすさまじさは 自分でも止められないのだ。
ランダム「あの人が 俺のデーターなんだよな…」
気絶しているヒトダマの腹(?)をくすぐりながら、伍長も十分五月蝿いんじゃ?…というか、〜年後俺もああなってるんじゃ?と考えると いろんな意味で怖くて数々の疑問を口にできないのだった。
ヒトダマ「うふふふふぅ〜 固体さんったらくすぐったいですぅ〜」
ランダム「…呑気なモンだな」
口調が似てきたことに気付かないランダムだった。
  
そうしてめいめいの思いを胸に(?)秘めながら夜は更けていくのだった。
  
  
次回、温泉編「ヒトダマへのファントム・メナス(みえざる魔の手)」新キャラ登場なるか
  
  
どうもすいませんでした。
次ぎ、よろしくお願いします。 バタン! キュウゥゥ〜★

ヒトダマへのファントム・メナス(みえざる魔の手) 投稿者:CI
  
ほんじゃあいきます(?)(注!僕が書くときは固体さんではなくスネークです)
   
(Aパート)
次の日の朝(スネークはまだおきていません)
NAT「・・・・・?」
ヒトダマ「あっNATさん大丈夫ですか〜」
NATが頭を抑えながら言う
NAT「なんか頭がズキズキする・・」
ヒトダマ「そうですか・・・あっ!伍長さんNATさんが起きましたよ〜」
NATがあんまり大声を出さないでといい終わる前に伍長が入って来た。
伍長「お!NAT起きたか」
NAT「伍長昨日何を飲ませたの?」
伍長「気付薬だ」
ヒトダマ「伍長さんそうじゃなくてウイスキーでしょ」
NAT「ウイスキー!?伍長ほんとなの?」
伍長「ああ・・・NAT悪かったな」
NAT「伍長!・・」
と言おうとしたNATが口をおさえ・・・
伍長&ヒトダマ「!」
何がおきたかはわかると思うので省略します(汗)
  
伍長「NAT!ヒトダマ雑巾で拭いといてくれ、俺はNATをトイレに連れて行く!」
ヒトダマ「は、はい」
と、その時ドアを開けてスネークが入って来た
スネーク「何かあったの・・・NAT大丈夫か!」
伍長[大丈夫ならこんなことには・・・・」
NAT「うっ!」
ヒトダマ「固体さん伍長さんまたでそうです!」
伍長「デイブNATを運ぶの手伝ってくれ!」
スネーク「わかった!」
そしてこの騒動は鎮圧(違)された。
  
昼、皆起床済み(あたりまえ)
ランダム「俺が寝ている時何があったんですか?」
伍長「他の誰かに聞け俺はNATの看病をしてる」
スネーク「俺はちょっと温泉旅行の準備をしてくる」
ランダム「と言うことでヒトダマ教えて」
ヒトダマ「ランダムさん実は○×△□・・・」
  
NATの病室(これも違)
NAT「頭が〜」
伍長「NATだいじょうぶか?」
NAT「さっきよりは・・」
伍長「そうかよかったな」
  
ヒトダマ「というわけなんです〜」
ランダム「なるほど・・」
ヒトダマ「それじゃあ伍長さんのお手伝いしてきますね」
ランダム「わかった」
  
その頃スネークは
スネーク「そろそろかえるか」
とその時
?「固体兄貴〜」
スネーク「!リキッド!おまえは置いていかれたはず!」
リキッド「なわぬけ・・・」
とその時いきなりリキッドの真上にいきなり何かが現れリキッドに落ちた、だがそれは物ではなく人だった
?「☆〜☆〜☆」
スネークは数秒固まってやっと言った
スネーク「お、おまえ大丈夫か?」
?「う、な、なんとか」
スネーク「おまえ名前は?」
IC「IC・・・あんたは?」
スネーク「・・・・」
IC「?、!ソ、ソリットスネーク?」
スネーク「・・・ああ」
IC「!何でゲームのキャラクターが?、てかここどこ?」
スネーク「ゲームのキャラクター?まさか・・・」
そしてスネークはICにこの世界のこと異世界のことそしてコペルソーン・エンジンなどを説明しはじめた。
  
スネーク「・・・・と言うわけだ」
IC「なるほど」
スネーク「それでおまえはどうするんだ?」
IC「僕は・・・そうだダン・・・・」
スネーク「ダン?」
IC「・・・・テントがあるから適当にするよ」
スネーク「そうかわかった」
その時ICはダンボールハウスといわなくてよかったと思ったそうな。
スネーク「でも武器はあるのか?」
IC「うんそれなら・・・・ない、探さないと!」
スネーク「おいちょっと待て武器がないの」
IC「・・・・リキッドが持ってるこれもらうよ」
スネーク「使えるのか?」
その時スナッチャーが現れた、そしてすぐさまICがスナッチャーの急所を撃った。
スネーク「心配は要らなかったようだな」
IC「うんところでスネークはどこに住んでいるんですか?」
スネーク「・・・・・・・・」
フィランソロピー探偵事務所の場所を教えた。
IC「わかったあれが見つかったらいくよ」
スネーク「あ、ああ・・」
そしてスネークは家にICはあるものを探しに行ったとさ。
(Aパート終了)

だめかな・・・ 投稿者:CI
   
送れてすいません(汗)
(Bパート)
家(モドキ)に着いたスネーク。
ヒトダマ「っあ固体さんお帰りなさいです〜」
スネーク「伍長は?」
ヒトダマ「伍長さんは旅行の準備に帰りました〜それで・・」
ランダム「俺が変わりにNATの看病してる」
スネーク「NATは?」
ヒトダマ「ほとんどよくなったみたいです〜でも念のため寝ててもらってます」
スネーク「そうか、さっきお前と同じようにこの世界に来たやつが居たぞ」
そうしてスネークは説明し始めた。
スネーク「・・・というわけだ」
ヒトダマ「IC?・・どこかで・・?」
スネーク「どうかしたか?」
ヒトダマ「い、いえ別にただの勘違いです〜」
どうやらヒトダマもいろんなことがあったので忘れてしまったらしい・・・。
  
そのころ忘れられた本人は・・・
IC「何処に・・っあ!あったよかった〜」
IC「じゃあ明日スネークの家に行くか」
あっさり見つかったらしい。
そんな感じで珍しく平和に夜はすぎた。
  
次の日。
伍長「おーいおきろ朝だぞ」
スネーク「朝から騒がしいな伍長・・ってなんで入ってんだ!」
伍長「ああそいつが開けてた」
スネークが伍長の指を指したほうを見ると・・・。
IC「ども〜お邪魔してます〜」
スネーク「ICか・・ってなんで入れた!」
IC「あんまり大きい声じゃいえないけどかぎ開け」
(注あたりまえだけど本人はできません)
スネーク「ピッキ・・」
ヒトダマ「なんかあったんですか?・・・あれ・・あ、ICさん!」
IC「?・・、ヒトダマ?」
伍長「ヒトダマ、知り合いなのか?」
ヒトダマ「は、はい」
そして説明し始めたヒトダマとIC。
スネーク「でも昨日知らないって・・」
ヒトダマ「忘れてました」
IC「って忘れるな〜」
と言いながらヒトダマの尻尾を掴むIC。
ヒトダマ「ICさん尻尾離してー」
ICがポイッとヒトダマを離した。
ヒトダマ「ふう」
NAT「どうかしたの〜」
伍長「NATもう大丈夫なのか?」
NAT「うん、すっかり」
ヒトダマ「よかったです〜」
NAT「?ヒトダマあの人(IC)はダレ?」
ヒトダマ「ICさんはもといた世界の知り合いです〜」
NAT「ふ〜ん」
IC「あ!そうだはいヒトダマおみやげ」
とICが袋を渡す。
ヒトダマ「?」
ヒトダマが袋を開けると・・。
ヒトダマ「こ、これは・・」
スネーク&伍長&ランダム(いつのまにかいた)「?」
ヒトダマ「・・MGS2サブスタンスMGS2メイキングとTTSです〜(プレミア版のゲームキューブつき)」
NAT「それって全部スネークがでるゲームだ!」
スネーク「なに〜!」
ヒトダマ「はいでもICさんPS2がありません〜」
IC「じゃあゲームキューブがあるTTSやれば〜」
ヒトダマ「はい〜・・・・・コードがありませ―ん」
IC「あ!・・・」
IC「そ、そろそろ僕は帰るよ、またくるね〜」
スネーク&伍長「あ、ああまたな〜」
IC「じゃそういうことで」
ヒトダマ「そんな〜」
ヒトダマがゲームできるのはいつになるのか・・。
 
そんな平和〜な日はすぎていった・・・。
次回「   」←次回は好きなタイトルをどうぞ。
遅くなってすいませんでした。(これは編集するかも知れません

暑いです〜 投稿者:日向@うへへ
  
前の展開はかなり無視している気も・・・
「前夜祭」
  
固体さん「・・・あ。」
ICの後ろ姿を見送った固体さんが呟く。
ヒトダマ「固体さぁん、どうしたんですかぁ?」
全身を45度傾け、ヒトダマがたずねる。
固体さん「あいつ、『テントがあるからいい』とか昨日言ってたが、まだガキだろうに。本当に大丈夫か?」
ヒトダマ「ああ、ICさんならだいじょぶですぅ〜。ICさんサバイバル能力高いからスナッチャーを食べてでも生きていきますよ〜」
なっ、と声を上げる固体さん。
固体さん「お、お前の世界は一体どういう食文化なんだ」
ヒトダマ「あははは冗談、冗談ですぅ〜って固体さぁん、尻尾、尻尾はや〜め〜て〜〜〜〜」
毎度おなじみの尻尾つかみに、ヒトダマが叫び声を上げる・・・が。
・・・やっぱりそれで聞く固体さんでもない。
それどころか、今回は尻尾の先っぽと根元を掴み、びよんびよん引っ張っている。
固体さん「う〜む・・・骨があるわけでもないのにどうやって振ってるのか気になるところだな・・・」
  ↑「Dawn Purple」参照
さわり心地がたまらん、と尻尾で遊ぶ固体さん。
と、そこへ伍長が割り込んでくる。
伍長「デイヴ、俺にも遊ばせろ」
固体さん「あ、ああ・・・」
伍長に逆らってはまずい。
素直にヒトダマを伍長に手渡し、固体さんはNATの病室にされてしまった自分の部屋に入っていった。
  
部屋の中はやけに静かだった。
静かどころか、部屋にいるはずのNATの気配が無い。
出入り口といえば部屋のドアだけだし、窓はあるにしてもここは4階である。
NATが飛び降りるような理由などは全く無い。
じゃあ、どこにいったとぐるりと寝室を見回すと。
ヒトダマ「ああぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁ・・・・・・・・・・」
ドアの向こうからヒトダマの断末魔の叫び(?!)が聞こえてくる。
固体さんの視線の先に、力なく倒れるNATの姿があった。
固体さん「・・・NAT?」
そう、呼びかけてみるが返事は無い。
抱き起こして揺さぶっても全く反応しない。
まさかと思い、首筋に手を当てる。
固体さん「・・・まずいな」
低く、呟くと固体さんはNATをベッドに寝かせて寝室を出た。
 
伍長「おう、デイヴどうした?」
くわえたラッキーズに火をつけながら、伍長が尋ねてくる。
その、彼の足元にへろへろに伸びきったヒトダマがしぼんで落ちている。
険しい面持ちで、固体さんは口を開いた。
固体さん「ランダムを呼んでくれ。NATの様子がおかしい」
たぶんシステム復旧に入ったんだろうが、と続けつつ、固体さんも伍長が差し出したラッキーズをくわえた。
  
数十分後。
固体さんの家に到着したランダムは固体さんからことの詳細を確認していた。
ランダム「システム復旧中なら放っておけば勝手に起きるんじゃないのか?」
固体さん「それが、少し気になってな。お前に有線して確認・・・というかバックアップしてもらいたい」
ランダム「システムってのは下手に触ると余計不安定になるんだぞ」
ほうっておいても数日で起きるだろうにと反論するランダムに、固体さんがいや、と首を振った。
固体さん「今日起きてもらわんと宿のキャンセル代が痛い」
ランダム&伍長「結局はそっちかーい!」
  
・・・そのあと、固体さんがどうなったかは言うまでもない
(Aパート終了)

ギリアン→ランダムにしました 投稿者:日向@修正
  
遅くなってすんまそん(というか出先で書くな)
(Bパート)
  
やれやれといった面持ちで、ランダムがベッドのふちに腰を下ろす。
ランダム(寝てるというよりも死んでる感じだよな・・・)
息遣いも普通の人間なら認識できないぐらいに弱まっている上に、触れただけでは脈もわからない。
かといって完全に止まっているわけでもなく、ランダムのセンサーにはちゃんと反応している。
おそらく、システムの完全復旧をする段階での基本システムの削除を行っているのだろう。
ランダム(間違って記憶まで飛ばすなよ・・・)
もし、今まで蓄積した記憶のデータもすべて飛んでいたとしたら・・・それはそれで考えたくない。
あまり横から手を出すのはNATのためにもならないとはわかっていたが、万が一のことを考えてランダムはもう少し様子を見てからセットアップのフォローに回ることにした。
  
一方、こちらは固体さん+伍長。
ソファの上で真っ白に燃え尽き、しくしく泣く固体さんを楽しそうに見下ろしながら伍長が固体さんのわき腹をつんつくつんつくつついている。
固体さん「しくしくしくしく・・・・(泣)」
伍長「デイヴ〜、いつまで泣いてるつもりだ?泣きやまねぇと・・・」
ふふふと口元に恐ろしい笑みを浮かべる伍長。
伍長「襲うぞ」
そのとたん、固体さんががばっと体を起こした。
伍長「お、起きたか。じゃぁ・・・」
固体さん「・・・っぎゃあぁぁぁぁ・・・・!!!!!!!」
薄暗いリビングに、固体さんの絶叫が響き渡った。
  
約1時間後。
有線せずにセンサーだけで様子を見ていたランダムは、NATの様子が微妙に変わったことに気づいた。
ランダム「・・・ん?」
NAT「・・・ん・・・うぅん・・・」
低くうめき、ほんの少しだけ身じろぎするNAT。
ランダム(基本システムの復旧が終わったのか?)
自分のケーブルを引っ張り、NATのうなじをさぐるランダム。
NATのうなじの端子に、自分のケーブルを差し込んで有線する。
視界の隅に、有線ちゅうとのメッセージが表示される。
ランダム(ぬわっ!)
思わず、ランダムがのけぞった。
NATの電脳(?)にイメージとして降り立つ形になったのだが、周りにあるのは膨大な量の書庫。
整然と並ぶ書庫にぎっしり詰まった本のイメージ・・・これが全てNATを構成するシステム、とでもいうのか。
何気なく1冊を手に取ると、開いた本からかなりのスピードで大量の情報が表示されていく。
ランダム(?!これは・・・)
スクロールのスピードが速すぎてついて行ききれないが、それでもなんとなくわかる。
過去の戦闘データと、それに付随するあらゆるデータ。
と、いうことは・・・
「なーに人のファイルを勝手に覗いてんのさ」
唐突に、後ろから声をかけられ、ランダムは思わず本を閉じた。
振り返ると、そこにはNATの姿はなく・・・
ランダム「・・・NAT、」
書庫の上にちょこんと腰掛けるNATの姿を認め、ランダムはふう、と息をついた。
ランダム「大丈夫なのか?」
NAT「今復旧中だよ。それをわかってて、なんでここに?」
状況しだいじゃランダムでも容赦しないよというNATの言葉に、ランダムはスネークが、と答えた。
ランダム「スネークがお前を心配していたぞ」
NAT「で、起こしにきたわけ?」
ランダム「正確にはお前のフォローだな」
ふぅん、とNATがつぶやく。
NAT「俺はもう大丈夫だよ。アラストルも協力してくれたし、思ったより早く復旧できそう。 でもあと数時間はかかるかな・・・出発は大丈夫かな?」
ちゃっかり、温泉旅行のことは覚えていたらしい。
ランダム「まだ出発してないが、今日中に起きないと困るとか言ってたぞ。 なんで急に復旧を?」
NAT「う〜ん、ちょっと限界来てたんだよね。本当は戻ってから復旧したかったんだけどデータの損失が激しすぎたのと、お酒飲まされた影響で消えるとまずいデータまでエラー出してね・・・」
・・・結局は伍長が原因か(いや自爆もあるだろう)。
そうか、とランダムが頷くとNATが大丈夫だから、ともう一度言った。
NAT「ランダムは戻ったほうがいいよ。セットアップが終わったら一度リセットかけるから。それに巻き込まれると多分、戻れなくなるよ」
ランダム「そうか・・・分かった」
なるべく早く終わらせろよと続けると、ランダムはNATからジャックアウトした。
  
次回「出発!」
  
NAT起きてないんですが起こしちゃって大丈夫です。

「出発!」 投稿者:天麒麟
  
(Aパート)
固体さん「全くあの人の前で迂闊なことは口にできんな……」
復活したヒトダマの介抱の甲斐あって意識を取り戻した固体さん(伍長に虐められすぎてくたばってしまった)は、憔悴した様子でそう言った。
ヒトダマ「……私なんて、何にもしてないのにぃぃ……(涙)」
固体さん「あー……アレはすまなかった(汗)。大丈夫だったか?」
ヒトダマ「大丈夫じゃないですぅ。伍長さんのもにり方、半端じゃないんですもん〜」
めそめそしながらも冷たい水に浸したタオルを搾って固体さんに手渡すヒトダマ。
固体さん「お前、完全に萎んでたからなあ……どうやって復活できたんだ?」
ヒトダマ「萎んだ場合は、時間が経てば自然と膨らみますぅ」
固体さん「……風船みたいなヤツだな(汗)」
ヒトダマ「自然に膨らんだにしてはちょっと短時間すぎる気もするんですけどねぇ……」
伍長さん、空気入れてくれたのかなあと、ヒトダマが体を傾げた。
固体さん「で、伍長はどうした?」
ヒトダマ「何かぁ、「腹が減ったから何か食ってくる」とか言って出かけられました〜」
固体さんはそうか、と溜息混じりに呟くと、冷たいタオルを額に乗せた。
別に伍長が嫌いな訳ではなく寧ろ深い信頼を寄せている程なのだが、あの折檻癖は何とかして欲しいと切に思う。
それと、隙あらば襲おうとするのも。(←可哀想に…)
ヒトダマ「そういえば固体さん、JUNKER本部に行かれてたって聞きましたけど〜」
何か進展あったんですか?と、洗面器をよいこらと脇に避けながらヒトダマが訊ねた。
固体さん「ああ。アーセナルのシステム解析がどこまで進んだか聞きに行っていたんだ」
ヒトダマ「換金のついでですかぁ?」
固体さん(汗)「あ、あのなあ、誤解のないように言っておくが、あの馬券は事前に購入しておいたもんなんだぞ!」
ヒトダマ「わ、わかってますう〜〜! だからお腹は、お腹はぁぁ〜!」
固体さん(はっと我に返り)「す、すまん。つい……」
どうやら固体さんは、ヒトダマもにりが完全に癖になってしまっているようだ。
折角膨らんだのにぃ〜と嘆くヒトダマの背後で寝室のドアが開き、ランダムが顔を覗かせる。
ランダム「……何騒いでるんだ?」
固体さん「あ、いや、何でもない(汗)。……NATの様子は?」
ランダム「ああ。システムデータのインストールは完了、今から再起動に入るらしい」
答えながら、固体さんの向かい側に腰を下ろすランダム。
ランダム「後、数時間はかかるそうだ」
固体さん「そうか……まあ、出発には間に合いそうだな」
固体さんはむっくり起きあがると胸ポケットから煙草の箱を取り出した。
一本抜いて火を点け、箱とライターをランダムに投げて寄越す。
ランダム(器用に空中で受け止め)「旅行のこともしっかり憶えてたからな。ほっといても問題ないだろう。……一本貰うぞ」
固体さん「ああ」
紫煙が二本、ゆっくりと立ちのぼる。
ヒトダマ「旅行といえば、全然詳しい話を聞いてないんですけどぉ。どこの温泉にいくのかとか、メンバーは誰なのかとか」
固体さん「ああ、そうだったな……行き先はここだ」
と、マガジンラックに突っ込んでおいたパンフレットを抜いてヒトダマに見せる。どれどれ、と銜え煙草のランダムがヒトダマの背後から覗き込んできた。
ヒトダマ「ひええ、固体さん随分張り込みましたねえ〜! ここ、高級なので有名な温泉旅館じゃないですかあ!」(←何故か知っている)
ランダム「お前、予算大丈夫なのか?」
固体さん「高級って言ってもリーズナブルなプランはいくらでもある。……とはいえ、部屋はそこそこのグレードだがな。予算のことは気にするな」
伊達に百万馬券は当ててないさ、と、ちょっぴし余裕をかます固体さん。
固体さん「メンバーは俺とランダム、伍長、メリル、メイ・リン、ヒトダマとNAT。それからギリアンも参加するぞ」
親しい友人の名が出たことに、ランダムがちょっと顔を綻ばせる。
ランダム「あいつも来るのか。よく休みが取れたな」
固体さん「名目上はアーセナル捜査の一環も兼ねて当事者である俺たちに同行する、ということになっている。まあ、丁度女房殿がネオ・コウベ薬研の学会とかでしばらく不在だというのも理由の一つだが」
ヒトダマ「ギリアンさんにまたお会いできるんですねぇ。あ、でも、をたこんさんと大佐さんは?」
固体さん「大佐は戦友会とやらにぶつかって今回はパス。をたこんは、最初は行く予定だったんだが、お前が持ち込んだCD-Rの解析に夢中で今はそれどころじゃないとさ」
あいつらしいな、とランダムが苦笑する。
固体さん「そこでだ。をたこんが行かないとなると一人分空きが出るわけだが……ヒトダマお前、ICの行き先、というか塒にしそうな場所に心当たりはないか?」
ヒトダマ「ほえ? ICさんの、ですかあ?」
思いがけない名前の登場に、ヒトダマは思わず全身を傾げた。
(Aパート終了)

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