過去ログ(No.181〜190)
  
これ以上どう削れと(涙)? 投稿者:天麒麟
 
(Bパート)
ヒトダマ「ICさんならキャンプできそうなところにいると思いますけどぉ、もしかして……」
固体さん「人数合わせ、というのもあるが、ヤツにも少し話を聞いてみたい。数多ある平行世界の中から、ヒトダマと同じ世界のヤツがまた来たというのは偶然とは思えん」
ランダム「アーセナル内で消去されたはずのアクセスポイントデータがまだ生きてる……と?」
固体さん「単なるバグの可能性もあるが、少しでも手がかりは大いにこしたことはないだろう。それと……」
ぽんぽん、とヒトダマの頭をなでる固体さん。
固体さん「お前も、知り合いと積もる話があるだろう?」
ヒトダマ(ちょっとうるうる)「固体さん……あ、ありがとうございますぅ! 私、早速ICさんを探してきます!」
深々と頭を下げ、ヒトダマがドアに向かってすっ飛んで行こうとした瞬間。
固体さん「ちょっとまて」
ヒトダマ「……ほぎゃっ!」(また尻尾掴まれた)
固体さん「俺も行こう。お前、まだこの町は不案内だろう?ランダム、バイク出してくれ」
ランダム「……俺もか?」
固体さん「別にいいんだぞ残っても。……多分、もうじき伍長が帰ってくると思うが(嗤)」
ランダム(汗)「あ、いや……一緒に行こう」
慌てて立ち上がると、ランダムは吸いかけの煙草の火を灰皿に押しつけて消した。
 
暫し後―――
伍長「……おい。なんで誰もいねぇんだ?」
両手にコンビニの袋をぶら下げた伍長が、誰もいない固体さんRoomの中で珍しく一人茫然としていた。
食事に出てはみたものの、周囲にはたいした店もなく、仕方なくコンビニで買い出しなどしてきたのだが……。
袋をソファに置き、ふとテーブルの上にメモ用紙が置いてあるのに気づく。それを一瞥して……。
伍長「……探しに行くのは結構だが、人が帰ってくるまで待てねーのかあいつらは……」
ぶつぶつぶつ、とぼやきながらポケットに入れた煙草へ手を伸ばそうとしたその時、隣室から微かな物音が響いた。
殆ど反射的に伍長が動く。
ドアがゆっくりと開き……髪に思いっきり寝癖をつけたNATが目をこすりながら顔を出す。
NAT「あー、なんだ伍長一人? ……って、どひぇええっ!?」
目の前に突きつけられたMP5の銃口に、思わずワンテンポ遅れの悲鳴を上げるNAT。
伍長「おう。やっと起きたか」
NAT「ごごごご伍長、これ一体何の冗談??」
伍長「はっはっは、目が覚めただろ」
MP5を引っ込め(実はちゃんとセーフティをかけてある)、からからと笑う伍長。
NAT「やっと修復したデータ、また吹っ飛ばすとこだったよ……」
心臓に悪いなあ、とぼやきながら台所に向かい、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すとコップに注ぎ、一気に飲み干す。
NAT「……スネークたちは?」
伍長「出かけたらしい。で、お前はもう大丈夫なのか?」
NAT「まーね。どこまで大丈夫かは俺自身にもまだわかんないけど」
肉体のデータが未知数だから、と答えて残ったミネラルウォーターを冷蔵庫に戻した。
伍長「出発は明日らしいからな。それまでに万全にしておけよ」
NAT「明日かあ……。あれ? 伍長、帰るの?」
買い出しの袋はそのまま、リュックと愛用のMP5を手にきびすを返した伍長に、NATが声をかける。
伍長「一度な。集合時間までには来るってデイヴに伝えといてくれや。それとヒトダマに……」
NAT「ヒトダマ?」
伍長「……悪くない味だった、てな」
意味ありげにウィンク一つしてみせると、伍長はじゃあな、と手を振ってドアの向こうに姿を消した。
NAT「………味?」
ヒトダマ、何か料理でも作ったのかな?
一人残されたNATは、しばらくぼーっと考え込んでいたが、
NAT「………寝よ」
ぽりぽりと頭を掻きつつ寝室へと戻っていった。
  
で、明けて翌日。
『臨時休業』の札を貼った「フィランソロピー」前はにぎやかだった。
メイ・リンとメリルは事前に購入した「る○ぶ」や「まっ○る」を開き、すっかり目の覚めたNATとヒトダマ、そして新参のICを巻き込んで盛り上がっている。
そこへ珍しくコートなし私服のギリアン(暑いらしい)&プチと相変わらず革ジャン姿のランダム(寒がり)が合流、更に例によってでっかいリュックとMP5を携えた伍長が現れ……。
固体さん「よし、全員揃ったな。……をたこん、後は頼む」
をたこん「o.k. 任せてよ」
固体さん「何かあったら……」(と軽く自分の首筋を叩く)
をたこん「わかってる。こっちも情報が集まり次第連絡するから」
楽しんできなよ、と屈託のない笑顔を見せる相棒に感謝しつつ、固体さんは借りてきたワゴン車の運転席に乗り込んだ。
  
次回、「○○よいと〜こ、いちど〜はおいで」 ちょいなちょいな、と。

○○はよいとこ… 投稿者:はやた
  
どこの温泉地がいいのでしょうか
  
(Aパート)
二列目の真ん中、メイ・リンとメリルの間でおもちゃにされているNATの膝に乗るヒトダマの首根っこ(?)を掴み、ちょいと持ち上げるとその感触を確かめると伍長は助手席でヒトダマを抱きかかえ眠りについた。
ヒトダマ「ああのぉ 伍長さぁん」
伍長「ZZZ」
ヒトダマ「固体さん どうすれば…」
固体さん「すまんが我慢してくれ」
伍長が寝ててくれれば安全だからな。と心の中で呟く固体さん。
NAT「伍長寝たの?だったらさ、伍長のリュックの中身 見てみない?中身知りたくてさ、伍長のブランデーに睡眠薬入れたんだ。それ飲んでたから大丈夫だよね。」
一同賛成の声が上がる。どうやら誰もが伍長のリュックの中身が知りたいらしい。ランダムに関しては、弱みとなっている写真を取り戻したくてうずうずしている。ランダムの様子がいつもと違うことに気付いたギリアンは、ランダムの額に手を当てている。
ヒトダマ「みなさんずるいですぅ 私もまぜてください」
固体さん「俺は賛成出来んな。伍長の事だから後で絶対ばれるぞ。そうなったらどうなる事だか…」
IC「いいじゃん、「赤信号 みんなで渡れば怖くない」だよ。」
固体さん「お・れ・は 絶対に関わらんぞ!」
NAT「じゃぁ あけ…のわ!!」
リュックの金具に手をかけたNATの額にMP-5のサプがもろに押し付けられる。
伍長「その頭 風通しを良くしたくないだろう?」
一言だったが凄みのある声。勢いよく首を上下に振るNATを確認した伍長はヒトダマを抱き直すといびきをかき始めた。
  
ヒトダマ「そういえば固体さんは なんであんなに否定したんですか?」
伍長の腕の中からヒトダマの声があがる。姿は見えないが、片手がピコピコ動いているのが見えた。
固体さん「ああ、あれか。伍長がいびきをかいていない時は完全に寝てないんだ。悲しきサガだな。ま、しっかり寝てても手を出す気にはならないがな。さあ、パーキングによるぞ?」
後ろで、だったら先に言ってよとふて腐れるNATを笑いながら固体さんはウィンカーを出した。
熟睡して起きる様子もない伍長と、その腕に拘束されているヒトダマを何とかなだめ残して昼食をとり、30分ほどで戻ってきた固体さんの手には、ヒトダマ用のたこ焼きと伍長用の弁当があった。
ギリアン「なんだ?ハイウェイパトロールがいるな。」
固体さん「ああいうのに関わるとろくな事がないからな。サクサクと行き…」
ドアを開けると、助手席で眠っているはずの伍長と抱きマクラヒトダマが忽然と姿を消していた。
ランダム「下手に探し回らないほうがいいだろうな。伍長は見当のつかない所にいる事もあるし、トイレかもしれない」
固体さん「いや、まぁ それはそうなんだが…」
ハイウェイパトロールが集まっている辺りに目をやると、その中の一人が背丈のひょろ長い男に敬礼して、敬礼された男が振り向く。左に白くて丸い…ヒトダマを抱えた伍長が急ぐ様子もなく ゆうゆうと歩いてくる。
固体さん「伍長!」
車に乗り込んだ伍長は悪びれも泣く笑った。
伍長「悪ぃ悪ぃ、リキッドを突き出しといたぞ。」
え?とみなが声をあげると、ヒトダマが悲痛な声をあげた。
ヒトダマ「ひどいんですよぉ 伍長さんったら、また私を投げたんですぅ(泣)」
と言いながらも固体さんが買ってきたたこ焼きをパクパク食べ、伍長が伸ばした手をパシンと払いのける。
伍長「そんだけ食欲がありゃぁ大丈夫だ。それより気付かなかったのか?しっかりストーカー対策 しておけ」
固体さん「気付かなかった…困ったヤツだが……どこに行くかは知らないだろうな(不安)」
ヒトダマ「さっき伍長さんがGPSの発信機を壊してましたし、2・3日拘留しといてくれって言ってましたんで大丈夫ですよ。それにしても伍長さんは知り合いが多いですねぇ」
前途多難…でも、旅は始まったばかりだ。
(Aパート終了)

到着までに… 投稿者:はやた
  
延び延びにしてすいませんでした。さくさくといきたいです
  
(Bパート)
メリル「このさくらんぼ あっま〜い」
メイ・リン「こっちも♪やだヒトダマちゃんたら、ほんのりさくらんぼ色になっちゃってかっわいい」
さくらんぼ狩を済ませ、宿へと直走るワゴンの中はさくらんぼの匂いと女性陣の黄色い声で満たされている。
メリル「NAT、なに遠慮してるのよ。どんどん食べなさい」
二人の勢いに小さくなっていたNATの口にさくらんぼが入れられ目を白黒させていた。
男性陣は女性陣の勢いにたじたじである。
ヒトダマは後にいるギリアン ランダム ICにさくらんぼを持て行こうとして ふとあることに気付いた。
ヒトダマ「あのぉランダムさん。ちょっとお尋ねしたいのですが」
ランダムが視線を上げたのを確認してNATの髪をかきあげるとうなじを見せた。
NAT「ちょっとヒトダマ」
ヒトダマ「NATさんごめんなさい。少しだけ  ランダムさんもNATさんも電脳空間にダイブするためのこれがあるじゃないですか?このまま温泉に入ったらお二人はお湯でショートしちゃいますし、周りの皆さんはバリバリバリ〜!!と黒こげになってしまうのではないんですか?」
しばしの沈黙の後
伍長「ブ!ははははは〜!! ひ〜 腹いてぇ(笑い泣き)」
ヒトダマ「伍長さん、笑わないでくださいよぉ!すごく気になったんですから」
笑いながら伍長は、ランダムを促した。
ランダム「風呂に入るときは…伍長、いつまで笑ってるんですか?ちゃんと防水テープを張ってはいるんだよ。でも、いまヒトダマが気付かなかったら NATは黒こげの塊をいっぱい作って、自分も壊してただろうな。」
その場面を想像したのだろうか、普段は笑わないランダムも笑い出し ギリアンも固体さんも…みんなが笑い出した。
ヒトダマ「みなさん ひどいですぅ。そんなに笑わなくたって」
半泣きでぶんぶんと手を振り回す。
NAT「いいじゃん、俺なんか馬鹿にされたんだよ」
ヒトダマ「ごめんなさいNATさぁん(笑) それと、伍長さんのファーストネームってなんていうんですか?」
ぴたりと笑い声が止まる。ヒトダマは知っているだろう固体さんとランダムを交互に見た。
固体さん「そういえば俺 知らないな…ランダムは?」
ランダム「確か…    あれ?」
固体さん「なんだランダムも知らないのか?」
ギリアン「アルフレッドだよね、伍長」
固体さん&ランダム「何でお前が知っているんだ!?」
ギリアン「だって、初めてあった時に聞くもんだろ?二人とも聞いてないのか?」
初めて会った時
 固体さん:何かの任務中であだ名すら聞いていない。のちにミラー伍長ということだけ知る
 ランダム:それ以前の問題。大魔王だと思っていた。周りがミラーだの伍長だの呼んでいたので、そう呼んでいただけ。怖くて聞けなかった
伍長「お前ら、人の名前も知らずにいたのか…」
固体さん「ご、ちょ、待った!!!運転中 運転中!危ないから座っていてください(半泣き)」
伍長「お前は部屋でたっぷり可愛がってやる。ランダム、帰ったらみてろよ…」
椅子に深く座りなおした伍長は、ヒトダマを掴み寄せると またもやいびきをかき始めた。
ランダム「ギリアンどうしようどうしよう…」
固体さん「お前は猶予期間があるからいいよ。俺は伍長と二人っきりだぞ」
ギリアン「なんとななるんじゃない?」
お前のせいだ!と突っ込めたらどんなにいいだろうと心の中で思う固体さん。ふと、最上階の部屋にするんだったなぁと後悔するのだった。
  
IC「ずいぶん鄙びたところだね」
ヒトダマ「でも、こういう所 大好きですよ」
祭りの準備でにぎわう街から少し外れた道を案内板に誘導され走っていた。
固体さん「さあ、ここだぞ。」
サイドブレーキを引いてエンジンを切る。
「灰狐の宿」と、立派な木の板に墨で書かれている宿が目の前に広がる。
ギリアン「ほんとにこんなとこに泊まって大丈夫なのか?」
固体さん「ああ、伊達に100万馬券は当ててないさ」
鄙びた風情のある平屋建ての立派な宿に一行は乗り込もうとしたいた。
伍長「おい、待てやデイヴ。お前は俺の荷物持ちな。」
  
次回、修学旅行は枕投げの巻

疲れたよー 投稿者:日向
  
たいへん遅くなりました。
  
修学旅行は枕投げ、の巻〜
  
部屋に各々の荷物を置き、展望大露天風呂で一風呂浴びてきた一同は宴会場で大騒ぎとなっていた。
メリル「ほらぁ〜NATも飲みなさいよぉ〜」
NAT「あ、お、俺未成年だし・・・」
メイ・リン「そんなこと言わずにぃ〜」
ていうかメリルたちも未成年じゃないのとぼやきつつ、ヒトダマに助けを求めようとちら、とヒトダマのほうを見てみるNAT。
ヒトダマ「あははぁ〜固体さぁん、もう一杯くださぁい」
ギリアン「お前、案外飲めるなぁ〜ほらこれもどうだ?」
・・・だめだこりゃ。
このままじゃ確実に復旧したばかりのデータを飛ばされる。
そう思ったNATは早々とエスケープすることにした。
NAT「・・・ごめん、ちょっとトイレ」
お約束の口実を口にし、NATはそそくさと宴会場を出て行った。
   
NAT「・・・とはいったものの、どうするかなぁ・・・」
遊び相手(?)のヒトダマがいないと面白くない。
もう一度、温泉にでも入るかなぁと呟く。
NAT「そーいえば、もう一つ露天風呂があったよなぁ」
さっき入った展望露天風呂以外にももう一つ、露天風呂があると聞いていた。
そっちに行ってみようかな、と歩き出す。
展望露天風呂の前を通り過ぎて歩くこと数分。
「忍狐の湯」と書いてある暖簾を見つけ、NATは脱衣所に入っていった。
ごそごそと服を脱ぐが、あまり人が来ない時間帯か、自分以外の人の気配がない。
NAT(誰もいなかったら泳げるかなぁ・・・)
泳いだことはないが、泳ぐ真似事だけでも出来るかな、とNATは露天風呂へのドアを開いた。
夕方遅いと言うことと温泉の湯気で視界が悪い。
今日は祭りがあると女将から聞いていたが、その喧騒が風に乗ってかすかに聞こえてくる。
空いているのはもしかしたら祭りのためか。
わーい、泳げる、とNATはざぶんと露天風呂に飛び込んだ。
???「誰だぁ?温泉で飛び込む馬鹿はぁ?」
不意に、怒気をはらんだ低い声が投げかけられる。
NAT「ぬわっ?!」
慌てて体を起こすNAT。
が、つるりと足を踏み外して再びドボン。
???「・・・もしかして、NATか?」
なんとか、体を起こしたNATの視界に、ゆらりと人影が映る。
NAT「・・・あれ・・・伍長・・・?」
伍長「なんでお前がこんなところにいるんだよ」
湯気をかきわけ、腰にタオルを巻いた伍長が姿を現す。
NAT「・・・ご、伍長・・・それ、俺の台詞・・・ってか、ここって女湯じゃ・・・(滝汗)」
自分はちゃんと「女湯」の暖簾を確認して入っている。
にもかかわらず伍長がいるのはどういうことだろう。
伍長「あぁ?お前が間違えたんじゃねーのか?俺はちゃんと男湯確認して入ったぞ」
NAT「俺も女湯の確認したって」
そこで、しばらく沈黙する二人。
伍長「まさか・・・」
NAT「混浴?」
互いに顔を見合わせる二人。
NAT「・・・ま、いいっか」
伍長「あまりよくない」
伍長の言葉に、NATがへ?と首をかしげる。
伍長「混浴ならなおさらだ。タオルぐらい巻けや」
・・・どうやら、泳ぎたくてタオルすら巻かずに飛び込んだらしい。
NAT「いいじゃん。どうせ見せるほどムネもないし」
伍長「自分でそれ言って、虚しくないか?」
NAT「でも聞いたもん。伍長、俺は好みじゃないって」
だったら見ても全然大丈夫じゃないの、とわけの分からない理論を打ち立てるNAT。
伍長「・・・好みでなくても、だ。男の前でそう肌を露出させるな」
NAT「・・・へいへい」

バスタオルを体に巻きつけて戻ってくると、伍長は盆に乗せた日本酒(お約束)をちびちびと飲んでいた。
NAT「伍長がウィスキー以外って、珍しいね〜」
伍長「そうか?」
NAT「でも伍長、なんで一人で入ってたの?」
そういえば宴会場にもいなかったよね、と伍長の横にちょこんと座り込んで、尋ねる。
伍長「なんでもいいだろ?」
NAT「う〜ん・・・」
少し、考え込むように首をかしげるNAT。
NAT「もしかして、他の人に背中を見られたくないから?」
伍長の背中からわき腹にかけて、ひどい傷跡がいくつもあるのが見える。
伍長「・・・・・・」
何も答えなかったのは図星だったか、違ったのか。
NAT「気にしすぎだよ、伍長」
俺は全然気にならないし、スネークだって似たようなものだよきっと、と続ける。
伍長「そりゃ、お前の神経がどうかしてるんだろが」
NAT「そうかなぁ・・・でも傷を醜いもの、って認識する人間の神経のほうがどうかしてると思うよ」
さすがは元AIと言うべきか。
判断基準がずれている。
ごめん、聞いちゃまずいこと聞いちゃったと呟いたNATの頭を、伍長が軽くぽんぽんと叩いた。
伍長「気にするな。その程度で怒る俺じゃねーよ」
そう言い、伍長は目の前の盆をNATの前に押しやった。
伍長「みかん食うか?酒は勧めねーよ」
NAT「いいの?わーい♪」
うれしそうに盆の上に乗ったみかんを手に取った瞬間。
どごおぉぉぉん・・・・
派手な爆発音が、「灰狐の宿」に響き渡った・・・
  
(Aパート終了)
  
・・・無茶や・・・

タイミング悪いよ・・・ 投稿者:日向@辞められない
  
余裕が欲しいです
  
(Bパート)
  
NAT「うぇぇぇん、伍長にいぢめられた〜」
ヒトダマ「NATさぁん・・・」
泣き付かれ、NATの頭をなでなでするヒトダマ。
そのNATの頭は見事なアフロパーマになっている(くす)
NAT「いくらなんでもみかんに爆弾仕掛けなくてもぉ・・・」
そう、泣き続けるNATからほのかに漂うハウスみかんの香り。
こっそり宴会を抜け出した天罰よとメリル達は言っていたが、いくらなんでもみかん爆弾はやりすぎだろう。
威力は大したものでなく、温泉(水)の中ということで威力も半減、殺傷パーツも入っていなかったため怪我も殆ど無い(デコと鼻の頭に絆創膏有り)が、それでも爆発音は派手だったしNATも目を回して腹を上にして浮かんでいた(池の鯉かよ)のだが。
あの時、爆音を耳にした固体さん達は酔っ払っていたので明日の花火大会用の花火が暴発したのだろうという程度で済ませていたのだが、心配したヒトダマが爆音の元へ急行、そこでぷかぷか浮かんでいるNATを発見し、固体さん達を呼んでいる。
固体さん「まぁたお前は〜」
全裸で浮いていたNATを回収し、手当てをして部屋に運び込んだまではよかったのだが、目を覚ましたNATはもうわんわん泣き叫ぶは今回の騒ぎを引き起こした大魔王伍長はいつの間にか姿をくらましてはで何の解決の糸口も見つからない。
よしよしとNATのもさもさ頭を治そうとしながら、ヒトダマは小さくため息をついた。
ヒトダマ「伍長さぁん・・・」
一体NATさんに何の恨みが、とヒトダマが小さく呟いたそのとき。
突然へのドアが開き、伍長が乗り込んできた。
伍長「おう、NATがここにいるって聞いたんだが」
ヒトダマ「伍長さぁん・・・」
でも、やっぱり怖くて「なんであんなことを」とは聞けないらしい。
上目遣いでじーっと見上げてくるヒトダマに、伍長が何かを投げてよこす。
ぽす、とヒトダマの手の中に納まったのはあの赤いネットにくるまれたいくつかのハウスみかん。
伍長「わりぃ、温泉でみかん食うつもりだったのに緊急時用の爆弾間違えて持ち込んじまってな。 そのみかん、二人で食ってくれや」
NAT「まぁた爆弾じゃないよね・・・」
伍長「だから俺が意味も無く爆弾仕掛けるなんてことするか」
その瞬間、NATがちらりと伍長を見上げた。
NAT「いや、しそうだし・・・」
伍長「何か言ったか?」
そう、凄みのある声で言われ、ぶんぶんと首を振るNAT。
NAT「な、何も言ってない」
あの大魔王伍長のことだから、今はみかんに爆弾が仕掛けて無くても食べようとした時に念力か何かで(ぇ)仕掛けてくるかもしれない。
伍長「そうかぁ? まあいい」
それだけ言うと、伍長は部屋を出て行った。
  
机の上にみかんを広げ、もそもそと食べるNATとヒトダマ。
ヒトダマ「伍長さんがくれたおみかん、甘いですねぇ」
NAT「・・・」
無言で口をもぐもぐさせるNATに、ヒトダマが首をかしげる。
ヒトダマ「NATさぁん??」
NAT「・・・ん?なに、ヒトダマ」
どうやら何かに夢中になっていたのだろう、NATが我に返ったようにヒトダマを見る。
ヒトダマ「おみかん、おいしいですねぇ」
NAT「あ、うん・・・そうだね」
少し困惑した様子のNAT。
あれぇとヒトダマが声を上げた。
ヒトダマ「もしかしてNATさんのは酸っぱかったですかぁ?」
そういい、NATのみかんを一つもぎ取り、口の中に放り込む。
ヒトダマ「あま〜い♪おいしいじゃないですかぁ」
NAT「ふーん。これが甘いって味覚なんだ」
その言葉に、えっと声を上げるヒトダマ。
ヒトダマ「じゃ、じゃぁ・・・NATさんはどう感じてたんですかぁ?」
NAT「・・・果糖、ブドウ糖、んでもってクエン酸・・・なるほどー」
ヒトダマ「そ、それって・・・」
味というよりも味を構成している成分じゃ、とはいえないヒトダマであった・・・
・・・と、そのとき突然NATの頭に何かが直撃した。
NAT「はうっ!」
頭をさすりながら、何かが飛んできた方向を見るとそこには枕を抱えたメリル、メイ・リン、んでもってICが。
NAT「・・・な、何やってるん??」
メリル「やっぱ旅行と言えば枕投げでしょ?ほらっ!」
NAT「・・・ぬわっ!」
とっさに枕をよけるNAT。
NAT「んもう・・・!」
こうなったら俺も参加してやる〜!と、NATは手近に落ちていた枕を掴んだ。
NAT「えーい!」
メリル「え?!」
自分めがけて飛んできた枕を、メリルは慌てて回避する。
・・・と。
ヒトダマ「ほにょおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」(ドップラー効果でお楽しみください)
メリルの横を、ヒトダマが絶叫して通り過ぎ・・・
どっぼーん!
開いていた窓から転落、外の池に落ちたらしい。
NAT「・・・げ、」
枕だと思って掴んだのが、実はヒトダマだったと漸く気づいたNATであった・・・
  
次回 「縁日の思ひ出」
  
ICの過去が語られる!かも・・・

「縁日の思ひ出」 投稿者:天麒麟@給料泥棒
  
そういやしばらく行ってないなあ…。
  
(Aパート)
NATは慌てて窓際に駆け寄ると、中庭を覗き込んだ。
小綺麗に手入れされた中庭のほぼ真ん中にある池の面に、白くて丸いものがぽっかりと浮かび上がる。
ヒトダマ「……ああう……NATさんあんまりですぅ〜(泣)」
……ヒトダマだった。
NAT「ごめ〜〜ん。感触が(枕と)似てて間違えちゃった〜〜(汗)」
今から回収に向かうから、と部屋から出ようとする(←直接中庭に出られる)と、
IC「ヒトダマなら大丈夫だよ。飛行ユニットだし自力で戻って来るって」
一緒になって覗き込んでいたICが冷静にそう言った。
でも、とNATが反論する。
NAT「何か、ヒトダマの周りに錦鯉が集まってきてるみたいだし(大汗)」
IC「……え゛」
やっぱ回収に行ってくるとNATが部屋を飛び出したのと同時に、
ヒトダマ「ひえぇぇっ、私ゃ「麩」じゃないですぅっ!!」
大量の錦鯉につつかれまくるヒトダマの悲鳴が聞こえてきた……。
  
「おーい、いるか?」
回収された濡れ鼠のヒトダマ(錦鯉の歯形付き)がタオルでごしごしされているところへ、ひょっこりと肩にプチを乗せたギリアンが顔を覗かせた。
メイ・リン「あらギリアン」
ギリアン「スネークから伝言。縁日見物に行くから全員浴衣に着替えてロビーへ集合しろとさ」
プチ「女性陣は好きな柄の浴衣を選べるそうですよ。フロントにお願いしておきましたので、今持ってくると思います」
その言葉を聞いてメリルがちょっと困った顔をした。
メリル「あたし、浴衣の着方知らないんだけど」
メイ・リン「私が手伝ってあげる。NATさんのもね」
NAT「俺も着るの?」
ギリアン「当然だろ」
IC「えっと……僕も着なきゃ、っていうか、行かなきゃだめかなあ……」
何故かICはあまり乗り気でなさそうだ。普通、この年頃の少年といえば縁日露店大好きなものなのだが……。
ヒトダマ「あれぇ? ICさん縁日はお嫌いですかぁ?」
わしゃわしゃになった前髪をぷるぷると振って、ヒトダマ。
IC「いや嫌い、ってんじゃないけど」
あまりいい思い出がなくて、とICは言葉を濁した。
ギリアン「そうか……まあ、どうしてもってんならしょうがないだろ。だが一応自分の意志は自分で伝えた方がいいと思うぞ。何しろ立案者は伍長だからな」
IC「伍長じゃ絶対イヤだって言えないじゃん……」
ぶーたれながらもICは、浴衣を持ってきた仲居と入れ違いに、ギリアンと共に部屋を出ていった(彼はギリアン&ランダムと同室)。
メイ・リン「ICくん、大丈夫かな……」
ヒトダマ「サバイバル能力は高いけど、相手は伍長さんですからねえ……」
NAT「心配しててもしょーがないよ。こっちはさっさと選んでとっとと着替えちゃお。でないと俺たちも巻き添えだもん」
その言葉に同意した女性陣は、めいめい自分の浴衣を選び出すことにした。
NAT「……でさ、ヒトダマはどうすんの?」
ヒトダマ「はい?」
NATの浴衣選びを手伝っていたヒトダマが全身を傾げる。
ヒトダマ「私が、なんですかあ?」
NAT「だからさ、ヒトダマは浴衣着ないのかってこと。全員なら、ヒトダマも着た方がいいんじゃないの?」
ヒトダマ「う〜ん、帯くらいなら何とか締められると思うんですけどお、ちょっとひしゃげちゃうかも〜」
NAT「いやそうじゃなくて、眼鏡とれば……むぐっ!」
いきなりヒトダマがNATの顔にぺっ、と張り付いた。
柔らかい腹(推定)に鼻と口を塞がれたNATがふがふが藻掻く。
メリル「何? どうしたの?」
ヒトダマ(慌)「あっ、い、いえ何でもないですう!」
NAT「ふぐぐ……ヒトダマ、苦しいっ……」
べりっ、と顔に張り付いたヒトダマを剥がし、NATが大きく息を吐いた。
NAT「何すんだよいきなり〜」
ヒトダマ(小声で)「だってNATさぁん……そのお話は内密に願いたいです〜〜」
眼鏡を外すと封印が解けて幼女型になってしまうことを指しているようだ。
NAT「いーじゃん別に……スネークなんかロリコンの気があるから喜ぶと思うよ」(←?)
ヒトダマ「固体さんに襲われるのは別にヤブサカではない……じゃなくて(汗)、あの姿になっちゃうことはあまりおおっぴらにしたくないんですぅ」
確かにおおっぴらにしてしまえば「封印」の意味が無くなってしまう。
勿論、本当の理由は他にあるのだろうが、NATはそれ以上聞かずに頷いた。
NAT「なーんかいわくありげだね……ま、ヒトダマがどうしてもってんなら黙ってるよ」
ヒトダマ「ありがとうございますNATさん……あ、これなんかどうでしょ」
赤地に大きく桜の花を染め出した柄の浴衣を引っ張り出すヒトダマ。
ヒトダマ「NATさん緑髪だから、赤いの似合うと思いますよぉ。……でも」
一旦言葉を切り、気の毒そうにNATを見上げる。
ヒトダマ「……先に、その髪の毛どうかしたほうがいいかも……」
NAT「……そだね」
NATの髪の毛は、爆風に煽られたちりちりパーマのままであった……。

縁日行きたいよぉ 投稿者:天麒麟
  
(Bパート)
準備を終えた女性陣がロビーに来たときには、既に男性陣は全員集合(といっても5名だが)していた。
勿論、彼らも全員浴衣姿である(そこ、鼻血出さない)。
伍長「やあっと来たか。遅ぇぞお前ら」
メリル「誰のせいだと思ってるのよ。NATの髪の毛直すの、大変だったんだから」
部屋に備え付けのドライヤーでは何ともならず、結局全員でもう一度大浴場へ行って洗い直すやら櫛で梳きまくるやら、そりゃもう大騒ぎだったらしい。
お陰でなんとかちりちりパーマからは脱出できたものの……。
固体さん「……よれよれだな(汗)」
NAT「ううっ、せめてソバージュって言ってよ(涙)」
そしてめそめそしているのがもう一人。
一応直訴はしてみたものの、すげなく却下されて強制連行されたICである。
IC「やだよぉ……行きたくないよぉ……(大泣)」
よほど嫌な思い出があるらしい。
伍長「馬鹿野郎。こういうイベントは全員参加が原則だぞ」
反面、何故かうきうきと伍長。肩を落とすICの背中を派手にどついてつんのめらせている。
ヒトダマ(こそっと)「伍長さんどうしたんですか? ものすご〜く上機嫌なんですけど」
ギリアン「ああ……スネークとランダムの浴衣姿が嬉しくて仕方ないらしい(汗)」
ヒトダマ「……うにゃ(汗)」
旅行が終わるまでお二人とも無事でありますように、とヒトダマは心からそう祈った。
  
縁日が開かれている神社までは、歩いて15分ほどの距離であった。
この付近では一番大きな神社らしく、夜店の数も人出も多い。
NAT「うわ〜、賑やかだね〜」
水風船をじゃぼじゃぼ言わせながら通り過ぎる子供を見送り、NATが感想を漏らす。
NAT「俺初めてだよ。いろんなものがあって、面白そうだなあ」
どうやら水風船に興味を引かれたらしい。アレはどこに売ってるのかなとか呟いている。
と、その手の中に、固体さんが千円札を3枚押し込んだ。
固体さん「お前達は現金持ってなかったな。……二人分だ。無駄遣いするなよ」
NAT「現金? デジタルマネーじゃないの?」
ヒトダマ「……NATさん、夜店でデジタルマネーは風情が無さ過ぎますぅ」
ネオ・コウベではデジタルマネーが一般的だが、現金も通用する。
特に小さな商店や下町では、デジタルマネーよりも現金の方を好む傾向にあった。
NAT「風情ねぇ……人間って合理的なのか不合理的なのか、時々わかんなくなるよ」
固体さん「合理性と不合理性の間を行きつ戻りつしているのが人間だ。……IC、お前も少し持っておけ」
相変わらず浮かない表情のICに無理矢理紙幣を握らせる。その背を再び伍長がどつく。
伍長「なーに、露店冷やかして遊んでりゃそのうち楽しくなるさ。……おっ、ありゃあ射的場じゃねえか?」
立ち並ぶ露店の間に、温泉街にはつきものの「射的・スマートボール」(笑)の看板が光っている。
ヒトダマ「ホントだ射的場ですぅ。射的、やりましょうよ〜」
NATの頭に貼り憑いたヒトダマが嬉しげに尻尾をピコらせる(撃てりゃなんでもいいらしい)。
固体さん「じゃあ、手始めは全員で射的だな。……そういえばIC、お前射撃が上手かったよな…………IC?」
返事がない。いつの間にやら姿も見えない。
固体さん「おい、ICどこに行った?」
メイ・リン「変ねえ……さっきまでそこにいたんだけど……」
伍長「……さては逃げたな? 俺に気配を察知させず的前逃亡たぁ、いい度胸だ」
NAT「伍長それって駄洒……むぐっ」
固体さんの手がNATの口を塞いだ。「つっこむな」という無言の意思表示である。
ヒトダマ「あの、多分そんなに遠くには行かないと思いますぅ。後で私、上空から探してみますから」
慌ててヒトダマがフォローを入れる。「射的」と聞いた瞬間にICの顔が引きつったのを目撃していたのだ。
ランダム「射撃の腕前はいいのに射的は嫌いなのかあいつ」
ギリアン「……ま、人生いろいろだな」
いろいろなヤツだらけの一団ではある。
伍長「そんじゃあICのことは後でヒトダマに任せるとして……ICのヤツ、戻ってきたらたあっぷりお仕置きしてやる」
ふっふっふと不気味な含み笑いを漏らす伍長に、
NAT「ス、スネーク……もしかしてICも伍長好みだったりするの?」
震え上がったNATがこそっと尋ねる。
固体さん「いや……多分、違うとは思うが……(汗)」
否定したものの、今イチ自信の持てない固体さんであった。
  
で、そんなこんなで(どんなだ)、即席射的大会が始まったのだが。
何しろ銃器の扱いには慣れた連中ばかりである。男性陣だけでも傭兵、元軍人、ランナー、ハンター……あり得ないラインナップだ。
ものの半時もしないうちに景品総なめで、店主の泣きが入ったことはいうまでもない……。

次回、「繰り上げ大花火大会!?」   確か明日の筈じゃ……?

繰上げ大花火大会!? 投稿者:はやた@F1終わった
  
趣味に走ってしまった…
  
(Aパート)
欲しいものだけもらってあとは景品を返した一行は奥へとすすんでいく。と、誰かが声をかけてきた。
???「あれ?ボスじゃないスか」
伍長「んあ?若衆じゃないか」
見知らぬ不思議な姿をした男と伍長が話し込む。
伍長「…じゃぁ、頼んだぞ」
NAT「伍長、今の誰?」
伍長「ん?まぁ、色々とな 明日雨らしくて、花火が繰上であがるらしい。で、6時半にあそこに見える橋で待ってろ。花火を特等席で見せてやる」
誰もが口を挟む間もなく、伍長は手を振ってひとごみの中に消えていった。
ヒトダマ「何だったんでしょうねぇ」
固体さん「…よかった(ボソッ)」
ヒトダマ「何か言いましたか?」
固体さん「い、いや それよりICを探しに行くか」
NAT「じゃぁ俺も」
メリル「じゃあ私達はこっち行くわね」
ギリアン「ランダム、酒でも飲むか」
ランダム「ああ、橋のところでな」
  
ヒトダマ「ICさん、どこですかねぇ」
固体さんとNATは参道を境内に向かって、ヒトダマは上空からICの姿を探していた。
ヒトダマ「川の向こう岸から打ち上げるんですねぇ」
とぼやきながら、伍長と話していた人と同じ姿をした人達が大忙しで準備をしているのを見た。そういえばはっぴには「鏡屋」と入っていたような…
ヒトダマ「あ、発見」
ふよふよと固体さんとNATの前に降りていく
ヒトダマ「ICさん、境内にいましたぁ」
固体さん「じゃあ、行くか」
境内のあまり人気のないところにいたICは、ヒトダマの姿を見るとほっとしたのか、少し顔が綻んだ。
固体さん「どうした?急にいなくなって」
IC「う、うん 射的にはあをまいい思い出がなくて……伍長、怒ってない?」
三人は顔を見合わせた。お仕置きの事は黙っていた方がいいとアイコンタクトて決める。
ヒトダマ「だ、大丈夫だと思いますよ(汗) 伍長さんもそこまで酷い人ではないですし、いざとなれば固体さんがいますから…」
NAT「あ、そうだね」
固体さん「は?なんでそうなる?」
ヒトダマ「伍長さんを止められるのは固体さんだけですから、私 伍長さんの次でもいいですから、がまんしますよ?」(え?)
固体さん「そうじゃなくて」
ヒトダマ「それとICさん、伍長さんからの伝言があるんですけど」
IC「ええ!?」
  
6時半に橋の前に集まると、メリルとメイ・リンは男達から貢がれており楽しそうで、ギリアンはできあがりかけていてランダムはやれやれと言った様子で友を見ている。ヒトダマは右手に林檎飴、左手にわた飴 NATはわた飴と固体さんにとってもらった水風船で遊んでいた。(自分ではとれなかったようだ) 結局、ICも露店をひやかしているうちに楽しくなったらしく機嫌を直していたが、固体さんはヒトダマの言葉に悩んでいた。なにかあったら、ヒトダマは大魔王(伍長)に魂(汗)を売るのではないか?と
メリル「なんだかんだ言って、肝心の伍長が来てないじゃない」
ランダム「現地15分前伍長がめずらしいな」
NAT「伍長はどこいったんだろ?」
固体さん「あ、それなんだが、どうやら花火を打ち上げるのが伍長の会社らしいんだ」
一同「ええ!?」
ランダム「知らなかった…」
伍長「おっ集まってるな」
花火師達が着ている着物に着替え、捩り鉢巻きに着物をはしょっぱ羽織って、袖を捲くり留めた伍長が橋の向こう―打ち上げ場からあらわれた。変なトコでこだわっており、さらしを巻いて褌をつけている。
NAT「ね、伍長 それ(褌)もとからつけてたの?」
褌を指してNATがたずねる
伍長「当たり前だろう?着物にゃぁ褌だ。まぁ、ついてこいや」(そういうモンでもないと思うが…)
関係者のパスを一人ずつ渡され、伍長に案内されて中に入っていく。
どうやら伍長の計らいで、特別に打ち上げ現場内の安全なところから見させてくれるらしい。周りでは急ピッチで作業が進められている。
その時、ヒトダマが何かを発見した
ヒトダマ「こ、固体さん あれ…(こそこそ)」
ヒトダマの指差す(?)先には よく爆破現場に付き物の、あのスイッチがあった
固体さん「…花火の打ち上げじゃないのか ここは」
(Aパート終了)

花火…? 投稿者:はやた
  
趣味に走りすぎ…
  
(Bパート)
伍長「いいところに気付いたな」
ヒトダマ&固体さん「!!!!」
後からヒトダマはもにられ、固体さんは首に腕を巻き付けられる。背は高い方の固体さんでも、193cmもある伍長の前では小さく見えてしまう
伍長「PC制御なんざつまらねぇ、かと言って全部人が点けんのは、それはそれで危ねぇ。だから打ち始めと休み後の一発目はあれで着火して後はPCに任せんだよ。ほれあそこだ」
用意された桟敷には、酒やお茶、夕食にお菓子がある。
NAT「うわっすごい」
若衆「社長のお客様ですから」
伍長「っと、デイヴはこっちだ」
もがく固体さんを難無くおさえた伍長が闇に消えていく。
メイ・リン「伍長さんてわからない人ね」
NAT「ヒトダマまで拉致られちゃったよ(汗)」
IC「心配してもしょうがないから楽しもうよ」
  
伍長「あ、悪ぃお前まで連れて来ちまった」
もにったままのヒトダマにようやく気付いた伍長は、固体さんをトランスポーターの一つに連れ込んでいた
ヒトダマ「構わないですけど、何をするんですか?」
伍長「デイヴの褌姿が見たくてにも手伝ってもらおうと思ってな」
固体さん「今何か被って聞ぎゃあ!」(尻を撫でられた)
ヒトダマ「それでですか。私、外で待ってます」
伍長「いや、調度いいからこいつで写真を撮っててくれ」
使い捨てカメラを渡されたヒトダマが鼻血を噴いた
ヒトダマ「や、や、焼き増ししてくださぁい」ひゅるるる ぽひゅ
固体さん「ちょっとまてって伍長ー!!」
伍長「なんだデイヴ、照れずにアルって呼べよ♪」
 ………
そんなこんなで、固体さんがセクハラを受けながら着替える。さらしを巻いたり褌を締めるのは素人には無理な事なので 伍長が手伝っているのだが、それはもう凄い事凄い事(汗)。着せ終わった伍長が息をついて固体さんを眺めた
伍長「……悪ぃ ちと便所」(下品)
固体さん「なんでこんな目に…」
固体さんが先ほど考えた、ヒトダマが大魔王(伍長)に魂を売るのではないか?という疑問は的中していた。ただ着替えただけだというのに(あれがただだと言えるなら)、ボロボロの固体さんであった
  
そんなこんなで桟敷に戻ると、そこは宴会場と化している
伍長「お楽しみのところ悪ぃが、NAT 少し手伝ってくれ」
メリルとメイ・リンのおもちゃとなっていたNATを否応がなしに連れだし、発電機の音がする方に連れていく
NAT「伍長、俺が出来ることなんてないよ?」
それに賛同するヒトダマがNATの頭の上で頷いた。と
ヒトダマ「あ!固体さぁん、がんばってくっださいねぇ」
遥か彼方にいる固体さんを見つけ、励ましの言葉をかけた。その声が聞こえたのか、固体さんも痛む腰を叩きながら手を振った。流石、固体さん一筋 どんなところにいようが見つけてしまう
伍長「いんや、あるんだ。さっきも言った通り、打ち上げはPC制御なんで直前の気象状況を入れなけりゃぁなんない。直前の な。それをお前にやってもらうってわけだ。打ち上げ中はなんとかなるが、今はセッティングに人手が欲しいし、お前がやってくれた方が遥かに早いからな」
伍長はNATの髪をくしゃくしゃとなでた。
  
時間通りに始まった花火は中々大掛かりなものだった。普通の花火の他に、創作花火や水上花火など、工夫を凝らしたものばかりである。
勿論、着火はあれで…
ランダム「すごいな…」
ランダムの呟きにだれもが頷いた。ヒトダマは興奮気味で、両手を振り回し尻尾をピコピコいわせている
若衆「打ち上げる花火の半分以上は社長が考えたものなんですよ」
NAT「はぁ 人って見掛けによらないもんだね」
伍長「ああん?なんか…おい、手打ち花火」
いきなり伍長が手で持って打つタイプの花火に火を点けると草むらの一画目掛け打った
固体さん「伍長!なにやって…!?」
何者かがゆらりと立ち上がった
???「くっくっくっ 久し振りだなぁ兄弟?」
固体さん「リキッド!?」そこには花火でアフロ頭と化した液体さんがいた。
  
もちろん、周りが爆笑の渦に巻き込まれたのは言うまでもない…
(Bパート終了)
  
次回、「リキッドの逆襲どころか返り討ち」

伍長ごめん 投稿者:日向@あわわわ・・・
  
物書きの神様、降臨するのかしないのかはっきりしてください。
一応ネタは色々あるんでつが。
  
「リキッドの逆襲どころか返り討ち」
  
大爆笑の渦に巻き込まれた一同。
・・・と、思いきや約1名、とほほ・・・とため息をついている。
NAT「俺もあんなんだったんだよなぁ・・・」
どうやら先ほどのみかん爆弾の恨み、まだ持っているようである。
いつか絶対に泣かせてやる〜と思いつつも、目の前の液体さんを何とかしないと、と思ってみたりもする。
伍長「あぁ?リキッドか・・・また灰にされてぇのか?」
そう、伍長が低い声で凄んでみせる。
伍長「前のことを忘れたんじゃねぇだろうな・・・」
リキッド「何を!そういうと思って今日は強力な助っ人を呼んできている!」
伍長、お前の弱点は分かってるんだ、とリキッドが声を張り上げる。
その液体さんの手に握られている「何か」をNATは目ざとく見つけていた。
NAT「伍長!まずい、避けて!」
伍長「なんだぁ?」
そう、伍長がNATを見た瞬間。
ばさぁっ!と何かが伍長めがけて落ちてきた。
伍長「・・・っ!」
落ちてきたのはお約束の(?)捕獲ネット。
まともにネットに絡まり、伍長が空中高く吊り上げられる。
液体さんが手にしていた「何か」・・・
それは無線誘導のクレーンのコントローラー。
伍長「っぎゃあぁぁぁぁ!!!!」
空中から、伍長の絶叫が聞こえてくる。
固体さん「伍長!」
ヒトダマ「伍長さぁん!」
固体さんとヒトダマが同時に声を上げる。
そして。
メイ・リンとNAT以外の5人(固体さん、ヒトダマ、ギリアン、ランダム、IC、メリル)が無意識のうちにあるものを取り出そうとしてはっと気付く。
メリル「・・・もう、こんなときに!」
今一同が居る場所は火気厳禁。
ということで全員、愛用の銃を預けてきていたのだ。
(固体さん:SOCOM、ヒトダマ:M4、ギリアン:ハンド・ブラスター、ランダム:同じく?、IC:USP、メリル:DE・・・お約束じゃん)
  ↑というよりも全員が同時に撃ってたら伍長蜂の巣だよ・・・
これでは捕獲ネットのロープを切ることもできない。
・・・いや。
咄嗟に、NATがヒトダマの尻尾を掴んだ。
ヒトダマ「ほぎゃぁぁぁっ!」
NAT「伍長のところまで飛んで、ロープ切ってきて!」
そう言い、満身の力を込めてヒトダマを投げる。
ヒトダマ「ほにゃあぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・!!!!」(ドップラー効果(ry)
NATに投げられ、へろへろと飛んでいくヒトダマ。
・・・が、なんと飛んで行った方向は伍長の方ではなく液体さんの方。
NAT「げ、」
手が滑った、と冷や汗たらりのNAT。
どうやら、ヒトダマが刃物をコレクションしていることを知って投げたのだが非力な彼女、手が滑って見当違いのほうに飛んだようである。
ぽすっと音を立てて液体さんの手の中に落ちるヒトダマ。
リキッド「おぉ?なんか知らんが、これはラッキー」
人質が増え、しかも相手は全員丸腰の状態。
さあ逃げ道はないぞとアフロ頭の液体さんがヒトダマの尻尾を掴んでぶんぶんと振ってみせる。
メリル「ど、どうするつもり?」
ギリアン「アルとヒトダマが人質に取られちゃぁ、どうしようもないぞ!」
何しろ向こうは多機能クレーン、こちらが何か行動を起こす前に他のロボットアームで色々できるはず。
どうする、とギリアンとランダムが互いに顔を見合わせたそのとき。
NAT「ヒトダマ!クール・ダンセル!」
何かを思いついたか、突然、NATが叫ぶ。
同時に地面を蹴り、二人に向かってダッシュする。
ヒトダマ「ほっ、ほにゃっ、く、クール・ダンセル〜!」
リキッド「・・・なに?!」
やばい、とヒトダマを放り投げる液体さん。
だが、そのころ既に二人に向かって氷の精は舞い降りていた。
凄まじい冷気が、二人を包み込む。
固体さん「ヒトダマ!」
あの状態では、ヒトダマも巻き添えを食っているはず。
だが、どうしてNATがクール・ダンセルを指示して走ったか分からない。
その当の本人も、冷気が巻き起こした水蒸気の向こうに隠れて姿が見えない。
固体さん「・・・一体何が・・・」
・・・と、突然水蒸気の向こうで光が閃いた。
見覚えのある紫味を帯びた青白い光に、まさか、と固体さんが呟く。
固体さん「あの光は・・・」
だがあれはあいつには扱えないはず。
一体何が起こっているというのか。
とにかく、何とかしてクレーンをおろして伍長を助け出さないと、と固体さんも動き出した。
  
(Aパート終了)
  
ごめんね大魔王伍長、高い所苦手なの分かってるよ。でも地面に降りたままだと瞬時に液体さん灰になるからもちっと空中で我慢して・・・(どごーん)
・・・そう・・・そんなところに仕掛けてたの・・・ね(ぱた)

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